次の1ヶ月・・・食べたもののカロリー計算をレコードする
さて、「助走」の調子はいかがだろうか?
人によっては「食べたものの記録=レコーディング」を2~3日しただけで、「もうたくさんだ!」と叫びたくなったに違いない。
「私が太っている原因も理由も全部わかったよ!はやくダイエットさせてくれ!」という人だっているだろう。
まぁ僕のように、この「助走」期間を5ヶ月も続ける奴のほうが異常だと思う。早い人で一週間、長めに考えても最長2ヶ月もあれば、「自分の食事・生活パターン」がわかってくると思う。
とりあえず、まず最初の一週間は食事と体重の記録だけつけて、その後、徐々に記録するデータを増やすのもアリだ。
ちなみに理想的な記録データとは、以下の3種類である。
●食事(口に入れたものすべて)と時間
●体重と体脂肪率
●運動(歩いた分数、または歩数)
「運動」という項目もあまり気にしないでよい。ポイントは「たくさん歩いたら、数日後に体重と体脂肪に変化が出る」ということを知ること。それだけが目的だから、無理に毎日散歩する必要はない。
「助走」期間の終わりは自分で決めてかまわない。
今の「太り続ける生活」に嫌気がさすとか、実はそんなに楽しいもんじゃないかも、と踏ん切りがつくとか、もしくは「4週間後にこのドレスを着なければ!などの切羽詰った理由がある」など、人それぞれだろう。
とりあえず、充分に食べて、太りたいだけ太るような食事や習慣を続けて、そしてなにより大事なことは、それらをちゃんとレコーディング=記録する。
すると不思議、ある日急に「あ、もうやめよう」と思える日が来る。
この日が「離陸」の日。
レコーディング・ダイエット第二段階のスタートである。
さて、「離陸」では、いよいよ「食べたもののカロリー計算」をはじめる。
まだカロリー制限はしなくていい。今まで食べたものや、今日食べたものがどれぐらいのカロリーなのかを知るのが目的だ。
まず、知っておかなくてはいけないこと。
カロリーは絶対ではない。
カロリーというのは閉鎖系で食品を点火・完全燃焼させたときに発生する熱量のことである。同じ食品が人体の中で酵素燃焼されたときに、はたしてどれぐらいがエネルギーや脂肪に変換されるのか。これに正確に答えられる人間は世界に一人もいない。
だから「1000kcalの食品は、かならず500kcalの食品の倍、太る」というわけではない。
ただし、基準値としてカロリーは「使える」数字だ。
上記のようにアイマイな部分はあるけど、ボクサーなどプロスポーツ選手やハリウッド俳優など「職業的に体型や体重をコントロールするプロ」はみんな、カロリー計算を尊重している。
「絶対ではないけど、とりあえず信用するに足りる指標」とするには充分だろう。
カロリー計算は、昔からあるダイエットの定番だった。しかし、昔はこれ実行するのがやたら難しかった。
なんせ食事といえば「大衆レストラン」「高級レストラン」「家メシ」しかない時代である。カロリーは自分で計算するしかなかった。「食品成分表」をベースに「にんじんは100gあたり32kcalで」とか計算しなくちゃいけなかった。
そんな時代にカロリー計算するなんて、時間に余裕のある人かよっぽど熱心な人とかでないと無理な相談だ。
しかし時代はながれいま、カロリー計算はとてつもなく簡単になった。
ファミレスやファーストフードのメニューにはたいてい、カロリーが表示されている。
それどころかコンビニの弁当やお菓子、ドリンクもほとんどカロリー表示がある。
つまりコンビニやファミレス、ファーストフードが氾濫する現在という時代は、実はもっともレコーディング・ダイエットに向いた時代なのである。
ところで余談だけど、コンビニの商品でもカロリー数が載ってない商品がある。知ってる人は知ってるけど、そういうのはたいていメーカー側が消費者に「あんまり教えたくない数値」の商品だ。
たとえば惣菜パンやお菓子パン。あるメーカーの「チョコチップ入りメロンパン」なんか、なんと一個あたり1380kcal!これだけで成人女性の一日分の摂取カロリー数を満たしてしまう。たかが菓子パン一個で、だ。
しかしこのメーカー、いつのまにかパッケージをリニューアルして商品の裏を見てもカロリーが載ってなくなった。アレルギー成分表などは載せてるにもかかわらず、だ。
宅配ピザも、大半のチェーンでもカロリーを発表していないところがある。ピザーラやドミノ、ピザカリフォルニアはちゃんと公式サイトでカロリーを公表している。
でもピザハットは公式サイトにアレルゲン情報は載せてもカロリー表示は載せていない。こういうとき、僕は「そうか、公表できないほどのカロリーなのかもな」と考える。ストロベリーコーンズも同様だ。
マクドナルドなんか、すべてのバーガー類の包み紙にカロリー書けばいいと思うんだけど、書かない。かわりに包み紙のバーコードを携帯カメラで読み込んで、サイトに接続すると渋々カロリーを教えてくれる。そんなにカロリー知られるのがイヤか?
ハンバーガーはおにぎりなんかに比べて、糖質やたんぱく質、野菜などが比較的バランスよく揃ったメニューだと思うけどなぁ。
最近、吉祥寺にできた「ゲンカツ」というトンカツ専門店は、ものすっごく美味しい「ミルフィーユ状に25枚重ねた豚肉のカツ」を食べさせる店だけど、僕が一週間前にカロリーを問い合わせたら、まったく返事が来なくなった。銀座に本店があるチェーンなので、まさか知らないこともないと思うんだけど、なぜメールの返事が来なくなった?
おなじく銀座のファンケル・ショールームビル。地下にあるカフェでは「日替わりのヘルシーなプレート」というのが供される。僕も食べたことがあるけど、たいへん美味しい。メニューによると、同ビルの三階にある研究所で管理栄養士がつくったメニューらしい。
ところが、ここに電話してカロリーを聞いても答えられない。管理栄養士が作ったメニューなのに、だ。これではいくら「ヘルシー」と謳われても、僕は信用するわけにいかないではないか。
余談が過ぎた。
つまり、カロリー表示についてはまだ完全とはいえないけれど、それでもかなりのメーカーやチェーンがオープンに情報を出してくれる。大阪の551蓬莱ですら、「うちのブタマンは一個326kcalでっせ~」と公開してくれている。ヤマザキのランチパック「ピーナッツ」1パック分よりも低いなぁ。
コンビニ商品やファーストフード、ファミレスでカロリー表示されている、ということはどういうことかというと、「外食やコンビニめしの多い人は、実はカロリー計算がやりやすい」ということだ。
実はレコーディング・ダイエットとは、ブログやmixiなどのユーザー層である「コンビニ食が生活の一部以上になってる人向けのダイエット法」なのである。
意外でしょ?
カロリー計算とかって、ちゃんと自炊とかしてる人向け、と思ってたんじゃない?
いやいや、自炊してる人は逆にカロリー計算の大変さを知っている。みりんやオリーブ油やバターをほんの少し使うだけで、カロリーなんかあっというまに変わってくるんだから。
ファミレスやファーストフードで食事したら、そのたびに自分あてにカロリーをメールする。コンビニで買ったものを食べるときは、パッケージからカロリー表をちぎり取ることを心がける。
これだけの手間で、自分の摂取したカロリー数がわかる。
では、カロリー表示されていない食品は、どうやって計算すればいいのか?
概算になってしまうけど、こういうサイトで毎回、自分なりに計算するしかない。
自炊派ならここかここ。
外食派ならここ。
ここは両方に便利。
他に調べればネットでいろいろ見つかるかもしれない。いいサイトを見つけたら、ぜひ僕にも教えて欲しい。
以上のサイトで、自分の食べた食事をだいたい見当つけて計算する。サイトによって数値は違うけど、お店の調理法でカロリーは違ってくるんだから、あんまり深く悩まずに、とりあえず「毎日計算できる」程度の手間でかまわない。
正確さよりも「毎日続けられる楽さ」を優先すること。
まだカロリー制限はしなくてかまわない。
「離陸」フェーズでは、まだ第一に「知る」ことを優先するから。自分が毎日、どれぐらいのカロリーを摂取したか。そしてそれがどのような関係で体重や体脂肪率に跳ね返ってくるのか。
よーくチェックして欲しい。
「離陸」」期間は1~2週間。この期間中はひたすら、自分が食べたものをカロリー計算し、ひたすらレコーディング=記録する。食べたいものを我慢せず食べたら、はたしてどのぐらいのカロリー摂取量になるのか、自分で「知る」こと。それがこのフェーズの目的だ。
気が短い人なら、3日ほどで次の「上昇」フェーズに移ってかまわない。
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コメント
食品メーカーで商品のカロリー計算やってたことがあります。そこで2点ほど。
まず、カロリー計算の「原典」である『食品成分表』ですら正確ではありません。個体差が大きいため20%もの誤差を許容していますし、たとえば牛肉なんかでは、サシの入ったものでも赤身のものでも区別せずに「国産」「輸入物」としか区別していません。部位による違いも大きいので、私は赤身なら原産地に関係なく輸入ヒレの数値を、三枚肉(牛丼に使うアレです)なら輸入物でも国産バラの数値を、というふうに計算していました。
2点目、マクドナルドがQRコードだけを表示している件ですが、これは包装材料の在庫リスクを極力減らすためだと思います。1枚1枚に刷ってしまっては商品のリニューアルの際に古い包材が不良在庫になるし、いったん原稿を入稿したらもうモニタテストで商品の改善はできなくなるし、たとえば原材料に不具合(異物混入、農薬使用違反など)が生じてレシピを代えたら大至急で新しい包装を用意しなければならないしで、QRコードのリンク先を差し替えるだけの手間に比べてものすごく大変です。
ではでは。
投稿: でるもんた・いいじま | 2007年4月16日 (月) 08時44分
前半については、情報ありがとうございました。よろしければ、どういう関係の食品メーカーか教えていただければありがたいです。
マクドナルドの包装については同意できかねます。まず、日本マクドナルドの事業規模で考えると「包装の在庫ロス」というのはあまり考慮にいれなくてもいいと僕は考える、というのが一点。
次に、定番バーガー類のレシピはもう10年以上変わってないので、そうしょっちゅう包材の変更は考えられない、という点。
第3に指摘されるような原材料の不具合(異物混入、農薬使用違反など)が起きたら、それは「新しい包装を用意するのは手間とコストがかかる」という以上の大問題ではないでしょうか?
ローカライズこそあるものの、マクドナルドのような「世界共通レシピ」を誇っているチェーンなら、一度開発したレシピはかなり忠実に守ります。包材でのカロリー表記というのはけっして「コスト的に見合わない」ということはないと思います。
QRコード自体が近年の導入です。
投稿: 岡田斗司夫 | 2007年4月16日 (月) 14時44分
カロリーが「完全に信頼は出来ないが、有効な数値」というのは
理解できないことはないのですが、いつも不思議に思うのは、
「ほんの少しでも高カロリー」と言われるものです。
実際にそれは事実なのでしょうが、その物質の質量を超えて
人間の体重に影響を与える可能性があるとすれば、
そのメカニズムが理解しづらいと考えています。
投稿: BB | 2007年4月16日 (月) 17時28分
簡単!栄養andカロリー計算
http://www.miwa-mi.com/project/calorie/index.html
投稿: こうかろ | 2007年4月28日 (土) 01時20分
本を購入してレコーディングを始めて今日で32日になります。167.1センチメートル106.2キログラムから始めて今、108.8です。(T_T)
本に書かれてるように口に入れた物は全て記入し体重体脂肪も朝晩の2回はかってます。
41才女です。
今日からカロリーもつけ始めました。
食べることを押さえられてません。だから減らないのでしょうね(;_;)
ほんとに痩せたいんです!
投稿: ていやま | 2008年1月 8日 (火) 01時18分