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2007年4月25日 (水)

ヌカ喜びにご用心

 「助走」「離陸」というフェーズだけでも、ある程度痩せたんじゃない?
 それまでの体重が100キロを越えているなら、早い人で2週間で5キロ程度は減ったかもしれない。
 うん、おめでとう。ついにダイエットのスタートだ。
 
 さて、せっかく喜んでいるのに申し訳ないけど、すこし言いにくい話がある。
 僕は自分もダイエットしてるから、同じくダイエットしてる人や目指している人を「仲間」だと思ってる。「仲間」にウソは言いたくないから、ちょっと言いにくい話でも、書かなきゃいけない。
 落ち着いて、以下の文章を読んでほしい。
 
 レコーディング・ダイエットをはじめたら、あっというまに○キロ落ちた!
 たしかにいいことだ。だけど、気をつけてほしい。
 それはダイエット初期特有の現象、「初動値の劇的減少」なんだ。
 世の中にあまたのダイエット法があるカラクリ、なぜいろんなダイエット法が登場しては消えていくのだろう、という秘密。それがこの「初動値の劇的減少」だ。
 
 簡単に言うと、レコーディングダイエットに限らず、ぶっちゃけ「どんなダイエット法でも、はじめさえすれば最初の2~3週間は痩せる」のだ。以前に「すべてのダイエット法は正しい」と書いた理由は、これである。
 いままでダイエット経験がない人なら、特にこの初動値変化は起きやすい。
 そのため、ウブなダイエット初心者は「ああ、やっぱり○○法は正しいんだ!」と有頂天になってしまう。「これだけ食べれば痩せるダイエット」とか「リセットダイエット」などというトンデモ系のダイエットでも、絶対に効果はある。最初の2~3週間は、だけど。
 
 しかし、開始後2~3週間したら体重はぱったり減らなくなる。
 ホメオスタシスという言葉を中学校で習ったけど、人体には「恒常性」といって身体を同じ状態に保とうという仕組みがある。そのために毎食グレープフルーツ食べようが、リンゴ酢飲もうが、あっというまに「それが当たり前」の状態になってしまうのだ。
 ダイエットをはじめた人は、みんな最初の2~3週間は大喜びするけど、そのうちゆるやかな失望とあきらめに出会い、そしていずれやめてしまう。その原因は「初動値の劇的減少」をあまりに信じすぎてヌカ喜びしてしまうからなんだよね。

 どんなダイエット法の解説を見ても、この「初動値の劇的減少」について正直に書いた本など見たことがない。どの本もどのダイエット法も「他の方法はダメ」「この方法が正しい」と繰り返すばかり。しかし、それでは「いろんなダイエット法があって、それぞれに成功した人がいる」という現象の説明がつかない。
 
 実はいま現在、mixiやネットでかなりの数の人たちが、レコーディングダイエットに挑戦しつつある。その人たちの日記を見たら「たしかに記録=レコーディングするだけで痩せた!」と喜んでくれている。僕も同じダイエット仲間としてすごくうれしい。
 ビジネス的に考えたら、こんな「初動値の劇的減少」のことなど黙っていて、他のダイエット法みたいに「ほら、始めて1週間でこんなに効果の出た人もいますよ」と発表するのが得策だろう。しかし、僕はもうそういうダイエット業界の体質にウンザリしている。
 「これでないとダメ」「これさえ解決したらあなたの人生はバラ色」みたいな商売のことを「コンプレックス産業」という。僕はレコーディングダイエットをそんなコンプレックス産業の「有望株のひとつ」になんかしたくない。だから、せっかく頑張って体重を落とすのに成功した人の、喜びに水をかけるようなことも書くことにしたわけだ。
 
 ガッカリした?
  ごめんね。
  
 でも、繰り返すけど「どんなダイエット法でも、最初の2~3週間は劇的な効果がある」んだよ。だからポイントは「いつまで効果が保てるか?」ということと、「どれぐらい続けやすいか?」という二点。あと「もしやめちゃっても、どれぐらいリバウンドしにくいか?」もあるかな?じゃあポイントは三点だ。
 レコーディングダイエットは「効果が長期に継続し続ける」「身体や経済的な無理がないので続けやすい」「ダイエットをやめても、自分の食生活行動の自覚は残るので、リバウンドしづらい」という優位性があるから、僕は自信をもってオススメできるんだけどね。
 
 なので、「助走」「離陸」のフェーズで成功したからといって、そこで安心しないように。油断せず、とにかく毎日「口にしたものすべてを記録する」こと。あと、できるだけ毎日体重をはかること。
 「離陸」フェーズの人は、できるだけカロリー計算すること。
 繰り返すけど、まだ食べたいものは我慢しなくていい。今までと同じように食べてかまわない。運動もしなくていい。
 だから、できるだけ正直に「記録=レコーディング」してほしい。
 もし効果がでてヤル気がでたなら、ぜひ体脂肪率がはかれる体重計を買ってほしい。できればアナログではなくて、0.2キロ単位で体重のはかれるデジタル式のやつがいい。僕は体重が0.1キロ単位ではかれるタニタの安いモデルで充分だ。ちなみに僕の使ってるのはコレ、ラオックスで3000円ちょっとだった。
 
 「離陸」フェーズに慣れて、カロリー計算もなんとなくこなせるようになったら、いよいよ「上昇」だ。
 次の「上昇」フェーズでは、さらにすごい体重変化が起こる。僕の場合で言うと「毎週1キロ減少が2ヶ月以上」だった。
 
 この頃になると、ダイエットしてるのが楽しくてしょうがなくなる。ダイエットというのは「ゴールは楽しいけれど、それまでは辛くて苦しい」と考えている人が多い。
 だから「苦しい期間を減らして早く成果が欲しい」と考えて、「三日で3キロ痩せる!」みたいなムチャな宣伝文句に吊られてしまう。
 でもね、ちゃんとダイエットに成功したら、その「目標体重までの過程」そのものが楽しいんだよ。ほら、海外旅行って、目的地=目的じゃないでしょ?その過程、つまり旅行準備とか飛行機の中とか慣れない電車に乗り換えとか、ぜんぶ楽しいじゃない?
 ダイエットも同じ。成功しつつあるときは「過程そのもの」が楽しいよ。
 だから、ムチャなダイエットプログラムとか「とにかく頑張ろう」みたいな宣伝文句に騙されないでね。

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コメント

初めまして。
mixiの方でレコーディングダイエットを実践させてもらっているo-kumaと申します。


今回の岡田さんの正直な忠告ありがたいです。
自分は開始当初には100kg以上あり、今日で5kg以上は減少、しかもレコーディングダイエットが初めての続けられたダイエット。
今回の記事にはドストライクな1人です。

4/1から「助走」、4/11から「離陸」に入り今日で2週間目。
ちょうど停滞期に入る時期になります。
この忠告がなかったら「ヌカ喜びだけの人」なっていたかもしれませんよ。

レコーディングダイエットはこれからも続けますので、「上昇」フェーズにステップアップ出来るよう地道にやっていきたいと思います。

投稿: o-kuma | 2007年4月25日 (水) 03時24分

がっかりしました・・・


嘘です><
でもやっぱり、ちょっとがっかりしました。
気持ちを引き締めて、記録していくことにします。

投稿: tee | 2007年4月25日 (水) 09時40分

私は最近復刻した「てくてくエンジェル」で
可愛い子を育てながら歩くダイエットを始めました。
ウエスト細くなりましたよ。歩く動機って大きいで
す。何も無しじゃ一杯歩けないんです・・・。

投稿: べびーじぇる | 2007年4月26日 (木) 01時28分

足だけで測る体脂肪はかなりいい加減だと思います。
ダイエットを始める前は68kgで20%その後ウエイトトレーニングをしたら、(食事制限も)体重とともに脂肪も70-22と増えました。ところがお腹はひっこんできて、顔もぱんぱんだったのが頬のラインが出てきました。
4ヵ月後の現在は同じ68kgで体脂肪は20%なのにもかかわらず、見栄えは格段に違います。
要はただ体重とともに体脂肪率も減る仕様なのでは???

投稿: zephysan | 2007年10月26日 (金) 01時35分

なるほど!ダイエットがつらいのは途中で成果がみえなくなるからなのか~。勉強になりました。
運動も記録つけてやろうかな、、、

投稿: いい汗かこう | 2008年1月 2日 (水) 07時16分

レコーディングダイエットを1ヶ月程前に始めて、初めの1週間に一気に体重が落ちたんですが、それから全然減らなくてちょっと心配してたんですが、今日やっと減ってました
減らなかった間このブログをみて明日も頑張ろうって思ってたんです。
また明日からも頑張ります。

投稿: ルイ | 2009年9月12日 (土) 01時49分

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