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2007年6月 7日 (木)

「世界征服」は可能か?

Photo_25Photo_24 今週から新刊の『「世界征服」は可能か?』(ちくまプリマー新書)が発売開始されました。でも、どんな内容かとヒトコトで説明するのは、ちょっと難しいんですよね。
 なので、出版社のOKも出たので、その「まえがき」部分を引用します。
 ブログなどへ引用するときは、一部分だけの引用はおやめください。以下の文章を省略せずにそのまま使う限りならOKです。








 はじめに 『なんで「世界征服」なのか?』
 
 「ところで、このガーゴイルって秘密結社は、なんで世界征服なんかしたいんでしょうね?」
 庵野秀明監督は、ため息をつきました。
 「そんな面倒なことせずに、高度な科学力で自分らだけ楽しい暮らしすればいいのに・・・」

 NHKアニメ「ふしぎの海のナディア」の制作も佳境に入った頃、1991年の年が明けて間もない頃の話です。
 毎日アニメの制作やってると、ときどき息抜きがしたくなります。スタッフの落書きには正義に燃える主人公をからかうようないたずら描きがあったりするものです。
 監督の、まるでグチのような言葉は、超多忙なアニメ製作現場からちょっと逃避したい、という気持ちのあらわれでした。
 「ナディア」に登場する悪の秘密結社・ガーゴイルは、その高度な科学力で人類征服をくわだてます。それは番組の企画当時から決まっていた「お約束」でした。「ガーゴイル:人類征服をたくらむ悪の秘密結社」と、企画書にだって書いてあります。
 
 でも毎日、アニメばっかり作ってると、ときどき何がなんだかわかんなくなるときがあります。
 自分の好きではじめた仕事なのに、なんでこんなにしんどいんだろう?
 アニメを作るなんて、子供の頃からの憧れだったのに、なんでこんなに辛いんだろう?
 このガーゴイルって奴らもおんなじだ。高度な科学力で世界征服を進めてるのに、すぐにネモ艦長とかノーチラス号にジャマされて。組織の下っぱからトップまで、みんな仮面つけて会議ばっかりして。
 アニメ作るのって、もっと毎日楽しいはずじゃなかったの?
 世界征服って、もっとカッコいいものじゃなかったの?
 
 そういえば企画書作るときも、こんな会話がありました。
 「ガーゴイルって、どんな敵にする?」
 「主人公側のノーチラス号が潜水艦だから、やっぱり敵は潜水艦の艦隊で攻めてくるんだよ」
 「なるほど。じゃあその潜水艦隊で世界征服を企むわけだ」
 「え?どうやって?」
 「う~ん、だから罪のない船を襲うんじゃないの?」
 「それは海賊だよ。ガーゴイルの目的は世界征服なんだから。岡田さん、どうします?なんか考えてください」
 「う~んとね、『通商路破壊』でいいんじゃない?貿易の独占化だよ」
 「え?もっと説明してくださいよ」
 「インドで安い胡椒をヨーロッパに運ぶと儲かる。だから国際貿易はなりたつわけだ。ほら、当時の貿易って海路でしょ。ガーゴイルの潜水艦隊は、その貿易船を次々に沈める。略奪が目的じゃなくて、世界の貿易自体を不可能にする」
 「ふんふん」
 「なるほど」
 「たとえ金やダイヤモンドが産出されても、貿易で他の国に売れなきゃ宝の持ち腐れだよね?ガーゴイルは、その貿易路を独占しちゃう。あらゆる資源の流通を握るガーゴイルこそが、世界の支配者なのだ!」
 「をを、なんかソレっぽい!」
 「決まりですね」
 
 と会議はめでたく終了しました。自室に引き上げる私を、スタッフの前田真宏さんが引き止めます。
 「岡田さん、ガーゴイルって世界の貿易を破壊するんですよね?」
 「そうだよ」
 「でも舞台となる19世紀後半って、先進国が後進国を植民地化していた時代ですよね。で、その植民地化というのは、後進国の安い労働力や資源を先進国が力ずくで奪い取っていた」
 「うん、中学や高校でも習ったよね」
 「だから、ガーゴイルが通商を破壊する、というのは、その先進国による植民地化を妨害する『正義』なんじゃないですか?」
 「・・・あ!ほんとだ!どうしよう?」
 
 困ってしまった私は、いっしょうけんめい打開策を考えました。
 なにせスケジュールは放映前からすでに遅れています。こんなところでスタッフを迷わせてはいけません。
 「う~ん、でもでも、その『正義』というのは、あくまで現代人の我々から見たら、の話だよね?」
 「はい」
 「19世紀の植民地帝国支配と、20世紀の二度の世界戦争、その後の民族独立運動という歴史を知ってる我々にとっては、世界の植民地化を防ぐというのは『正義』っぽく聞こえるけど、当時の『正義』は違っていたはずだよ」
 「たしかにそうですね。当時後進国だった日本も、植民地化されないために帝国を作ろうとしてましたからねぇ」
 「おまけにガーゴイルは『世界の植民地化』を防ごうと戦っていたんじゃないよ。ガーゴイル以外のすべての世界を植民地しようとしてるんじゃないの?」
 「あ、なるほど。そりゃ悪い奴らですね。いわゆる『悪の帝国』ですね」
 「そうそう、奴らは『悪の帝国』なんだ」
 と、当時の私たちはそのあたりで納得していました。
 
 そういうわけで議論は終わり、「ガーゴイル:人類征服をたくらむ悪の秘密結社」と書いた企画書も、NHKに無事に提出できました。
 でも、妙に庵野監督の言葉がひっかかるんです。
 「ガーゴイルは、なんで世界征服なんかしたいんだろう?」「高度な科学力で自分らだけ楽しい暮らしすればいいのに」
 
 本当にそうだ。なんで悪の帝国は「世界征服」なんかしたいんだろう?
 「世界征服」みたいな悪いことを企むから「悪の帝国」なのかな?
 究極の悪イコール世界征服、ということだろうか?
 私の頭はこんがらがってしまいました。

 「世界征服って、本当に可能なんだろうか?」
 「悪の帝国の手段や目的はなんだろう?」
 「世界征服って悪いことだろうか?そもそも『悪』ってなんだろうか?」
 
 あの日から15年たった今でも、私はときどき考え込んでしまうのです。
 
 ちょっと恥ずかしいけど、思いきって告白します。
 小さいころの夢は「世界征服」でした。
 世界中の人々が、「はは~っ」と自分にひれ伏す。
 見渡す限りの人民が毎朝、「岡田さま、万歳!!」と叫ぶ。
 朝日をバックにそびえる塔のバルコニーから眺めながら悠々と手を振るのは、どんなに気持ちが良いことでしょう。

 えっ?現実離れしすぎですか?
 でも、この夢、子供の間ではけっこうメジャーでしたよ。
 さすがに「野球選手になりたい」とか「宇宙旅行をしたい」ほどはメジャーではありませんけど、それでも小学校の卒業文集に「将来は世界征服!」と書くお調子者が、クラスに一人や二人いた気がします。

 みなさんもよく思い出してください。
 小さい頃、一度くらいは「世界征服」にあこがれたこと、ないですか?
 ほんとうに世界征服を目指したチンギス・ハーンや織田信長なんかを歴史で習うずっと前。もっと小さい頃のことです。学校で習う歴史なんかじゃなくて、子供にとってもっと身近な世界。テレビやマンガを夢中で見ていたころ。アニメや特撮番組なんかは、まず悪の秘密組織が悪いことをすることから、お話が始まります。
 「悪の帝国」には、見た目も恐ろしい悪の幹部がいて、大勢の戦闘員たちを手足のように使い、毎回、新しいロボットやメカや怪獣を繰り出して、街を破壊したり悪いことをします。
 すると正義のヒーローが颯爽と現れて、その野望は打ち砕かれてしまいます。
 悪の幹部は「く、悔しい!」と地団太を踏んだり、悪の首領にしかられたりして、次こそはと決心を新たにするわけです。
 悪の組織の目的は、必ずと言ってよいほど「世界征服」でした。目的というより、スローガンというカンジですね。
 子供の頃は、そんな「悪の帝国」が大好きでした。
 もちろん、悪をかっこよくやっつけるヒーローにあこがれるよう、番組は作られています。でも、テレビで毎週毎週みていると、最初はかっこよかったヒーローも、どうしてもワンパターンに見えてくるじゃないですか。
 敵が出てきたら出動して、やっつける。彼らがするのはそれだけです。
 

 (中略)

 「こういうことを考えるのは私がヒネくれているせいなのかな」と思っていたのですが、そうでもないようです。大阪芸術大学で学生たちに聞いてみたところ、卒業文集に「夢は世界征服」と書いた人が何十人もいました。
 世界征服好きは、男女を問わず、世代を問わず、みたいですね。

 前置きが大変長くなりました。
 この本は「オトナのための世界征服」についての本です。大人になったいま、あえて「世界征服とはなにか?」「悪とはなにか?」についてマジメに考えてしまおう、という内容です。
 といっても、ひところ流行ったいわゆる謎本のように、懐かし話やあるあるネタを語るばかりではありません。
 
 心の底からヒーローを応援しているはずなのに、でも心の裏側で密かに「ヒーローが負けて世界が征服されるシーンも見たいな」と思ったこと、ないですか?
 格差社会といわれる現代、希望すら持ちにくくなってしまっている現実社会。いっそのこと、一度全部破壊してやりなおせたらいいのに、と思ってしまったこと、ないですか?
 そこでこの本は「現実的に世界征服してみたらどうなるか?」を具体的にシミュレーションしてみた本です。いったい「世界征服」って何なのか?本当に「世界征服」って可能なのか?自分が征服するつもりになって、一度まじめに考えてみた本です。
 まず、自分はどういうタイプの「征服者」なのか考える。
 次にどうやって仲間を集めるか、「悪の帝国」の組織作りと、どうやって活動を始めるのか。
 そして、晴れて世界を征服した暁には、そろそろ後継者問題も考えなくっちゃ。
 できるだけ具体例を出しながら、「征服しちゃったら、どんな未来があなたには待っているのか」までフォローする構成になっています。
 
 さあ、ではまず最初に「世界征服の目的」を考えてみましょう。

 (第1章に続く)

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コメント

フロッグマンショーの秘密結社「鷹の爪団」の世界制服は「国境をなくして、戦争をなくし、格差をなくし…」という主張でした。

投稿: AK | 2007年6月 7日 (木) 17時59分

そういえば、
ドラクエⅠで、竜王のところへ行ったら竜王が
わしの味方になったら、世界の半分をやろう。どうだ、わしの味方になるか?……てなことを言って誘いをかけてくるのを思い出しました。

結構多くの人が一度はあそこで「はい」を選んでいたように記憶しています。(小生も含めて)

「魔王になって世界征服したい。世界の全部みたいな贅沢は言わないから半分でも」とひそかに思っているプレイヤー心理を突いた見事な罠だった、と今になって思います。

投稿: ぢゅらさん | 2007年6月 7日 (木) 20時05分

是非読んでみたいのですが、とりあえず『ガーゴイル』じゃなくて『ネオ・アトランティス』じゃないのかなあ、と思いました。

投稿: Q | 2007年6月 8日 (金) 23時38分

お悩み相談

「世界制服」というと
「伝染るんです」のミッチーを思い出します
そのせいか、自分としては
「世界征服」はギャグという認識になっています
世界征服を世界征服として
真面目に受け取るためには
どうしたらよいのでしょうか?

投稿: pahepahe | 2007年6月 8日 (金) 23時56分

これは、岡田さんの当時の回答が不十分だなと思わざるを得ません。
なぜなら、植民地の解放を大義名分とした侵略は、大日本帝国をはじめとして(ここで大義名分論をする意図はないので、少なくとも、「当時の大日本帝国の意図に関わらず、戦後国際社会では侵略行為と定義され、日本国政府もその定義を了承している」という事実のみを前提とします)歴史上数多いですし、ナディア企画段階では未来の事とは言え、現在でも軍事独裁政権を打破し民主主義政府を作って圧制下の国民を解放するという目的の戦争は数多い。
正義観の変化を出すまでもなく、容易に植民地解放と侵略は両立しうる物だし、まして「侵略するのに大義名分が必要」なのではなく、「侵略した結果何らかの付加価値が生まれるかもしれない可能性」について岡田さんが悩まれる必要は結果として皆無だったんだろうなと思いました。

投稿: マグナカルタ | 2007年6月 9日 (土) 13時07分

ただ、もしネオ・アトランティスの科学力がせいぜい50年から100年程度のみ当時の科学力を先取りする程度のものであったなら、世界征服を果たす上で、被支配民族を利用することは
必要になったかもしれず、そうすると「海底二万リーグ」のネモ船長とネオアトランティスが、相互に相手を利用しようとする論理の相克は誕生し得たかもしれないなとは思います。しかしそれは全く別のお話ですけれど。

>pahepaheさま
>世界征服を世界征服として
>真面目に受け取るためには
>どうしたらよいのでしょうか?

誰も無から有は生み出せない、ということではないでしょうか。
岡田さんが紹介された庵野監督の言葉通り、楽だけして生きられるなら世界征服なんてする必要はないでしょうし。
今の楽できる状態をもっと長くしたい、ばかりかもっと楽したい、と思うからそれが必要なんでしょうね。
ナディアのアトランティス人だって、労働力としての生命は結局自分で一から作ることはできなかったし、ネオアトランティスも資源や金は結局見下していた人間から同志をつのって徴収しなくてはならなかったわけですから。それ以上のことをしたければ世界征服するしかない。

結局、世界征服なんて「したいからする」んじゃなくて「しなきゃならないからする」もんだと理解すれば、真面目に受け取れるんじゃないでしょうか。

投稿: マグナカルタ | 2007年6月 9日 (土) 13時20分

>マグナカルタさま
よもや返答を頂けるような書き込みではなかったので恐縮しております。

かつて日本で行われていた国取り合戦も他国の存在を意識しつつも、当時の人の考える世界の征服という野望であったと推察します。地続きの領地拡大から大航海時代へ、海を隔てた他国への海外進出、強国との覇権争いも、まだ人は世界征服を意識していたのかもしれません。また近代、核兵器を開発した関係者は世界征服が出来るかもしれないと妄想を抱いたかもしれません。

ところが国家、組織、個人が世界を征服をすると考えると、ある時代から現実味を帯びなくなってきて、超人的パワーでも有することがなければ全世界をひれ伏さす事などはありえないはずなのです。「世界征服」を世界中の全権を掌握、世界中を支配する、と定義するならば、どんなにがんばっても世界に影響を与える国や組織、キーパーソンにしかなれないので世界を征服するまでには至らないはずです。
仮に人が全世界を征服できたなら、その体制は人によって転覆される可能性があり、世界を征服できた征服者は、その日から体制を維持するために恐怖を感じつつ生きていかなければなりません。

そんなわけで世界征服は今となってはギャグやネタ、空想の世界の出来事と取れるので、人が世界征服を思い描いている内が華だったんだな、という気がしてなりません。(叱られそうな閉めだ)

投稿: pahepahe | 2007年6月 9日 (土) 23時44分

以下訂正させてください

かつて日本で行われていた国取り合戦も他国の存在を意識しつつも

かつて日本で行われていた国取り合戦も他国の存在を意識しつつ

超人的パワーでも有することがなければ全世界をひれ伏さす事などはありえないはずなのです

超人的パワーでも有することがなければ全世界をひれ伏さす事などはありえないと解ったはずなのです

投稿: pahepahe | 2007年6月10日 (日) 00時41分

「ガーゴイルではなくネオアトランティスでは?」の件です。
企画書や制作初期では「悪の組織=ガーゴイル」だったんですよ。でもオンエア版というか最終的な作品としては「悪の組織=ネオアトランティス」になってるから、これは変更すべきか注釈を入れるべきか悩むなぁ。ご指摘、ありがとうございました。

投稿: 岡田斗司夫 | 2007年6月10日 (日) 10時11分

>pahepahe様
>「世界征服」を世界中の全権を掌握、世界中を支配する、と定義するならば、どんなにがんばっても世界に影響を与える国や組織、キーパーソンにしかなれないので世界を征服するまでには至らないはずです。

これは多分、定義の問題と思います。
定義を少し変えれば、「マイクロソフト社が“ある意味で”世界征服に成功した」とか、「Googleが“ある意味の”世界征服を達成しようとしている」というようにも考えられないでしょうか。

或いは、フィクションで言うなら、新世紀エヴァンゲリオンのゼーレのように、情報を支配することで世界各国政府を意のままに操ることも可能でしょう。あれの劇場版で、ネルフ本部の実力占拠を行った日本国政府は、自分達がゼーレの意のままに動いているという自覚は皆無です。表に出て実力行使をすることが皆無なら、転覆される可能性は相当低くなるでしょう。これはむしろ「陰謀論」に属することでしょうが。

そういう観点からすると、Googleの「全ての情報を整理する」という野心は、オタクにとっては非常に理解しやすい「世界征服の原理」と共通点があるように思うのですが、いかがでしょう。

>仮に人が全世界を征服できたなら、その体制は人によって転覆される可能性があり、世界を征服できた征服者は、その日から体制を維持するために恐怖を感じつつ生きていかなければなりません。

そんなことは百も承知だけど、それをしなくちゃならない相応の理由があるんでしょうね。
ガミラスにせよジオンにせよ、彼らの侵略と征服の理由はそういうものでしょう。

例えば秀吉の朝鮮侵攻を、この間亡くなった作家の池宮彰一郎は、「100年続いた戦国という体制を支える経済システムを、崩壊させることなく維持させるための政策」として位置づけました。同時代人の誰もが秀吉の行為を「単なる天下人のヒロイズムの延長上の行為」と考え、それゆえにその非現実性に戸惑うばかりの中で、その真の意味を理解していたのが徳川家康と石田三成と島津義弘だけだった、みたいな感じで始まるのが絶版になった『島津、奔る』の導入部でした。

実現可能性がない、リアリティがない征服行為こそ、むしろ当事者にとっては「代替可能性が少ない、やむにやまれぬ行為」(一見妄想に見えるナチスの世界征服の論理だって、ヒトラーの中ではそういうものとして充分完結している)と考えてみられては、と思いますが、いかがでしょうか。

投稿: マグナカルタ | 2007年6月10日 (日) 21時40分

世界征服の元ネタはトロツキーの世界革命論だと思っていました。

投稿: h-nishinomaru | 2007年6月10日 (日) 22時03分

>マグナカルタ様
またまたご返答いただきましてありがとうございます。(コメントが不適切な場合の削除は管理人さんの判断に委ねたいと思います)勢いで書き込みするので文法的におかしい文章などあると思いますがご容赦下さい。自分の書き込んだ文は、いつも読み返しても変だなぁと思い研削したくなるのです、実際間違っているんですが。

おっしゃる通り定義の問題だと思います。また「世界征服」の「世界」をどう位置づけるかによっても世界征服の意味合いは変わるでしょう。前回の書き込みでは「世界征服」を言葉通りの一般的な意義として定義いたしました。さて世界征服の意義、概念ですが、外交延長線上の最終的な「戦争」「侵略」も国家存亡をかけた行為とし、見方によって「世界征服」と同義語として捕らえる事は可能です。「不良番長による天下統一」「海賊の海賊王になる」というような虚構の世界の野望、または現実の社会にもある英雄主義も言い換えれば「世界征服」なのだと思っています。また現実社会の兵器、石油、株価操作etc、などを利用して一国家が世界経済を牛耳るということも世界征服なのかもしれません。情報網によって(意図していたかは別にして)マイクロソフト延いてはアメリカが世界の情報システムの一部を征服しているという見方も可能です。

世界征服という体制が転覆されるということについては、例えば核技術が一部の技術者の思惑により世界に分散した事実もあり、人類には、特定の人物、組織、国家の権力的な一人勝ちが起きにくくなるようなメンタリティやシステムが遺伝子レベルで予め備わっているように思えるのです。人の寿命を考えると世界征服を完遂させるにはあまりにも時間が足りないように思います(世界征服の一般的な意義を定義としています)カリスマが次世代に継続されないのは周知の事実です。仮にのび太がドラえもんの道具を使って世界征服を企んだ場合、スネ夫やジャイアンの先祖がそれを阻止するために未来からの使者、ドラえもんのようなロボットを送り込んでくる事も可能なわけです。もちろん、これらの考え方によって今後も人が「世界征服」というものを断念することはないと思いますし、「戦争」や「侵略」といった行為もなくなることはないのかもしれません。

ビルゲイツが「世界征服をします」と言えば「ある意味している」という反応があるだろうし、某国総理大臣が「世界征服をします」と言えば「面白くない冗談だ」と呆れかえるだろうし、超大国の大統領が「世界征服をします」と言えば「病院へ行った方がいい」と心配されるだろうし、独裁国家の元首が「世界征服をします」と言えば、各国の外交はてんやわんやの大騒ぎになると思います。私の中で世界征服という概念は完全にギャグやネタにまでには昇華されてはいないと思っています。捕らえ方ではありますが「脅威」としては頑然と存在しているのだと思います。真面目にとれないというのはネタの要素もありましたが、自分自身、漫画的発想に囚われているというのも理由のひとつなんだと思います。

そういうわけで岡田さんが、どんなアプローチで「世界征服」を語っているのか取り寄せ中の書「世界征服は可能か?」を楽しみに待っている次第です。

投稿: pahepahe | 2007年6月11日 (月) 01時04分

岡田さん、説明ありがとうございます。なるほど、そういうことだったんですね。『昔の仕事に愛着なくなっちゃったのかなあ』と、大誤解してしまいました。ナディアの話なので、誤解する人自体が今では少ないかもですが・・・

投稿: Q | 2007年6月11日 (月) 01時32分

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