完璧なマーケティング。でも見え見え(笑)
いま、山手線の中吊り広告でもおなじみの、一個1000円のアイス。
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レーベルは「ヘブンリースプーン」だけど、実体はハーゲンダッツだ。
「ダージリン6個セット」が3,500セット、「カカオ6個セット」が2,500セット。合計6,000セットなので、合計しても売り上げはたった3,600万円。(しかも送料込み)
完売しても売り上げ4000万弱の商品に、なぜ数百万もかかる広告費をかけるのか?
なんだか見当つく気がする。
あのハーゲンダッツだよね。一号店オープン時にサクラで雇った外人を店の前に並ばせて、「大ヒット」という伝説を作った、マーケティングを語るときの定番になっている、あのハーゲンダッツ。
僕が思うに、たぶんこの商品の目的は「売れること」ではない。
「評判になること」が目的なのだ。
「一個1000円」というわかりやすいセレブ価格。
「究極のアイスを作ったら1000円かかってしまった」ではなく、まず大評判になりそうな「1000円のアイス」というコンセプトを立てて、逆
算的に「じゃあどんなクオリティか?」という流れだから、アイス自体の品質情報はサイトを見ても驚くほど少ない。なんとカロリーまで書いていない。あまり
書きたくない数字なのかもしれない。
「ネット限定販売」という手法。
これは購買したブロガーたちが、いっせいに宣伝してくれることを見込んでいるんだと思う。だからブログを書きそうにない一般のオッチャンオバチャンは買う必要がない。とにかく、この第一弾プロジェクトの目的は「評判になる」なんだから。
金曜正午に「カウントダウン販売」というスケジュール。
土日のネタ枯れしたワイドショー狙いだろうね。具体的には「王様のブランチ」。数量限定でカウントダウン販売というのは、「一個1000円のア
イスが一瞬で売り切れてしまいました」「ええっ、すごい!」「食べられないの?」「ところが、当番組では特別に試食を・・・」「うわ、こんなアイス食べた
ことない!」・・・となって、数ヶ月後に一般販売開始、というのが落としどころかな?
サイト運営もマーケティング本部だし、この予想はあんまり外れてないと思うな。
いや~、久々に「画に描いたようなマーケティング主導の企画」を見せてもらいました。
もちろん中身のアイスが1000円という価格に負けないほど美味しければ、僕には文句はない。
でも、僕が感心するのは、いまのところアイスそのものよりも、この美しいまでに完璧なマーケティングプランだよな。これだけに1000円払ってもいいよ。
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