TV向けじゃないダイエット
最近、困ってることがある。
いや、困ってるわけじゃないな。贅沢な悩みと言えば、たしかに贅沢なんだから。
悩みというのは、テレビ取材のことだ。
ありがたいことに、いまだにレコーディング・ダイエットに関してはTVや雑誌の取材が多い。昨日もあるテレビ局からダイエット番組の企画を打診された。
テレビ局というのは「旬の話題」にこだわる。彼らにしてみれば「最新のダイエット法」「誰も知らないダイエット法」で企画を組みたいに違いない。
だから本当のことを言えば、テレビ局の都合だけで考えたら、レコーディング・ダイエットなんて取り上げたくないに決まってる。
2007年8月に「いつまでもデブと思うなよ」を発売してから、もうすぐ丸2年だ。ほぼ同時期にビリーズ・ブート・キャンプがあって、少し後には朝バナナダイエットが評判になった。
もちろんこれらの減量法にはいまだファンもいる。しかし正直な話、当時は好意的なコメントもしてくれた医療の専門家たちも、いまでは「朝にバナナ食べても痩せません」とはっきり言い切ってしまってる。
納豆ダイエットやキャベツダイエット、世間で流行ったダイエット法ほど、忘れられるのも早い。
それに比べて、レコーディング・ダイエットの寿命は驚くほど長いのだ。考えてみたら、これほど長持ちしたダイエット法は、日本では空前でないだろうか。
専門家の支持が高いのも特徴だ。
今回の企画に関しても、おそらく食事系ダイエットでは最強、というお墨付きがいろんな専門家から出されている、という事実があるからこそだろう。
とまぁ、これだけでは別に悩みでもなんでもない。問題は「レコーディング・ダイエットをTV番組で出すべきかどうか」だ。
TV番組の企画だから、そんなに長期取材ができるわけじゃない。せいぜい1~2週間、頑張っても1~2ヶ月だ。正直、レコーディング・ダイエットの真価は、その程度の日数だったら発揮できない。
僕自身がリバウンドしていない最大の理由は「内面の変化」「生活習慣そのものの変化」があるからだけど、この変化にはやっぱり最低でも6ヶ月はかかる。もちろん1~2週間で「気づく」だろうけど、それが心の底に沁みて、無意識の習慣化するまでにはやはり2シーズン以上はかかるのだ。
おまけに、その最大の成果もしょせんは「心の内側の変化」、つまりテレビには映りにくい。
考えれば考えるほど、レコーディング・ダイエットはTV向けじゃないダイエット法なのだ。
夜中に焼き肉を食べたいときは、これを食べ合わせれば大丈夫!みたいなダイエット法の方が、ずっとキャッチーでテレビ向きなんだよね。
だからといって、TV番組の企画を断るのもなぁ、と考えてしまう。
いまレコーディング・ダイエットをしている人、すでに成功した人の中には、TVで紹介されたのを見てはじめた人だっていっぱいいる。そもそも、紹介されなければそういうダイエット法があること自身、知りようもないのだ。
そもそも、TV局が「旬の話題」「最新のダイエット法」にばかり注目するのは、彼らだけの責任じゃない。我々日本人が古来持っている民族的な特質として「新しもの好き」「流行りもの好き」という性格なのだ。
だからレコーディング・ダイエットだって、常に最低限のメディア露出をしていないと「古い=悪い、劣っている」と決めつけられてしまう。
たとえ不本意な露出や紹介になってしまう可能性があっても、それを恐れて尻込みするのは良くないんじゃないか、と思ってるわけ。
ね、「贅沢な悩み」でしょ?
でも当人にとっては「良心」とか「客観的な判断」とか「最大数の最大幸福」とか、いろいろゴチャゴチャ考えなきゃいけない問題なわけでね。つまり疲れるんです。
じゃ、今日はここまで。
また明日ね。
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