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2010年3月31日 (水)

オタキングexのひみつ「バベルの塔」大公開!

 すべてはFREEの世界へ向かっているんだ。
 新サイト、あと二日ではじまるよ。

 この一連のシリーズは二つのブログ(「岡田斗司夫のゼネラルプロダクツ」「レコーディングダイエット2.0のススメ」)の交互で進行しています。
 最初から読む場合は、この日記からスタートしてください。

 というわけで、話は最初の日記に戻るんだ。
 オタキングexは昨日までの段階で、なんと社員数86人を数える大所帯になった。
 
 最初はなんにもなかったんだ。まったく。
 僕が会社説明会で呼びかけて、みんなに頭を下げた時は、ほんとうにからっぽだった。
 でも、その場で有志が「連絡網を作ろう」と言い出してくれた。記録用に撮影や録音、それどころか会場費集めの受付嬢まで、参加者自身がやってくれた。
 なんにもないところから、すべてがはじまった。
 
 もちろん、たった一ヶ月とはいえここまでの道のりはけっして平坦なものではなかったよ。
 というより、もうね、ドタバタ騒ぎだったんだよね。なにもかもが。
 
 オタキングexは「本社なき会社」だ。ネットでのやりとりが会議であり打合せ。同じ社員が実際に会う時は「オフ会」というぐらいだからね(笑) 徹底してるよなぁ。
 まず、最初は原始的なメーリングリストではじめたんだ。そこで自己紹介から打合せから仕事の立ち上げから全部やるもんだから、メールが交錯してどれが元スレッドかわからなくなった。
 いや、あの頃の僕たちはバカだったよ。
 なんであんなこと、メーリングリストでやろうとしたんだろう?
 だってメールの投稿数がハンパない。深夜に寝て、起きたら未読メールが50件とかそんな調子なんだよ?
 
 おまけにケンカまがいのことまで起きる。
 ナツキという武蔵美の女子大生、こいつ、めちゃ可愛いんだけど元気もいっぱいでちょいナマイキ。
 で、ヒデオというデザイナー(41才)、こいつはセンスも技術も超一流なんだけど、腕の良い職人に良くあるタイプで口が悪い。いや、実際に会話すると良い奴なんだから「メール文体が、お行儀悪い」というべきか。
 職人さんと、跳ねっ返りの女子大生が「オタキングexのロゴをどうする?」という話をキッカケに険悪な雰囲気になっちゃった。周りの大人たちはなんとか沈静化しようとするんだけど、釣られて感情的なメールも飛び交い、事態はますます深みにズブズブ(笑)
 
 なんというか、みんな年間12万支払って、人のために働きたいという「有徳の士」なんだよ。でも、それでも人間だから深夜に中学生みたいなメールのやりとりしてるんだ。
 たぶん、本気だからこそ、ムキになっちゃうんだよね。人間って面白いよなぁ。
 
 え?僕はなにしてたかって?
 なにもできるはずないじゃん(笑)
 いままでアニメーターやマンガ家を相手にしてきたから、わかるんだけどね。
 あのね、腕に覚えのある職人を納得させるのは難しいんだよ。「発注主」または「自分より技術のある奴」の言うことしか聞かない。ヘタしたら発注主の言うことだって聞いてくれないんだから(笑)
  僕なんか、なんど貞本義行に「じゃあ岡田さんが描いてください」とスネられたことか。
 
 こういう場合、僕が裁定に入って「今回の件はヒデオにまかせた!」「ナツキにやらせなさい!」とか決めたら問題はたぶんすっきりしただろう。
 でもそれではダメなんだ。組織、というより「人の集まり」はそうやって作るべきじゃない。それじゃ「タダの会社」になっちゃう。
 「やりたい人が、やりたいことを好きなように試せる場」なんだよ、うちは。
 
 ナツキは「小娘の理屈では押さえられないプロ根性」と対決すべきだし、同時にヒデオは「プロ世界の『当たり前』が通用しないフラットな組織」を学ぶしかない。
 でないと、これからどんどん入ってくる新入社員たちといっしょに仕事できないよ。
 早く入社した奴が全部仕切っちゃうような、閉鎖的な組織にしちゃダメなんだ。
 ここは普通の会社じゃない。利益を追求しなくていいし、スケジュールだって別に「死守」しなくていい。言い方は悪いけど「クオリティ」だって場合によってはあきらめてもいい。
 
 唯一、この会社が守り通さなければいけないもの。
 それは「オープンである」「透明である」という意志だ。
 組織の意志決定は、全員がプロセスと結果を見られる。
 会社立ち上げから参加してる「兄さん」も、今日入社したばかりの新入社員もまったく同じ立場でオンライン会議のテーブルにつける。
 このルールだけはバカ正直に守らなくちゃいけない。
 
 これ、遵守するのはすごく難しい。
 僕自身、このルールに意識せず違反して、三日前のことだけど全社員に謝罪文を書いたぐらいだ。
 間違いはかまわない。隠したりごまかしたりする行為を軽蔑する。そういう会社にしたいんだ。
 
 とまぁ、さんざんのすったもんだの末、連絡網としてのメーリングリストは役割を終えてSNSができあがった。暫定版だからmixiそっくりだけど、じゅうぶん役にはたっている。
 このSNS内にコミュニティをいっぱい作った。我が社はネット上にのみ存在する会社なので、このコミュが事業部であり研究所だ。
 
 SNSの名前は「バベルの塔」。
 オオゲサな名前だけどちゃんと由来もあれば理由もある。そのあたりはまた今度ね。
 じゃ、ちょっとバベルの塔内部を案内してみよう。
 まだ建設中だからごちゃごちゃ片付いてないけど、気をつけてね。
 
 バベルの塔の地上階~中層には「研究所」と「事業部」がある。
 
 まず研究所。ここは「テーマ別・大人のしゃべり場」だ。
 オタキングexに参加して、心ゆくまで勉強したいとか語りたいという、理屈っぽい(または理屈にあまり抵抗感がない)我が社の社員たちは、ここで嬉々としてもう語るかたる(笑)
 
ダイエット研究所(レコーディングダイエットを語り合う)
オカダノート研究所(ノート術の開発や実践を語り合う)
オタク研究所(ガンダムとかマンガとかオタク話を語り合う)
会社デザイン研究所(オタキングex自体の社内組織を語り合う)
4タイプ研究所(「人生タイプ」の4タイプ分類を語り合う)
思想本部(評価経済や世界征服の方法など、思想的なことを語り合う)
その他、フリートーク研究所、模型研究所、グルメ研究所、恋愛研究所、言論研究所など現在11の研究所がある。

 いま熱いのはダイエット研と思想本部かな?
 ダイエット研は初代所長に関西の歯科医ナツコが任命されて、いきなり見事な采配を見せた。
 思想本部では「評価経済社会での通貨はどのようにあるべきか?」「はてなデザインの見事さ」とかが最近の話題。ここの話は最近、僕も難しすぎて参加できなくなりつつあるのはナイショね(笑)
 

 バベルの塔・中層部にある事業部は「作りたい人」向けの組織だ。
 イベントの運営やサイトの制作、その他なんでも扱う。

ライブ事業部(「ひとり夜話」などイベントの企画運営)
映像事業部(「ひとり夜話」などの映像配信やDVD化など)
オーディオ事業部(オーディオブック制作と配布)
ブログ事業部(著作アーカイブや映像配信、掲示板など巨大サイトに育つ予定)
メルマガ事業部(無料登録できるメルマガを発行したい)
電子出版事業部(これも無料を目指す)
携帯、iPhoneアプリ事業部(やってみたいんだよね。レコダイ専用のアプリも無料で配布したい)

 いま一番忙しいのはブログ事業部。とりあえず4月2日(金)深夜24時の新サイトオープンに向けて突貫工事中だ。オタキングexの社員は本業がある人が多い。だから基本は土日やすきま時間での仕事になる。それにしてはみんな頑張ってくれているよ。
 iPhone事業部には、僕はエッセイ集「オタクの迷い道」のデジタル出版ができないか打診している。社内にiPhoneアプリ開発経験者がいるかどうか、まだ知らない。いなかったら勉強すればいいだけだから、ま、なんとかなるでしょ。

 社員はこれらの、どの事業部や研究所に属するのも自由。抜けるのも自由。いくつ掛け持ちしてもいいし、ひとつも所属しなくてもOK。
 燃え尽きるほど働くのも自由だし、単にROMしてるだけでもまったく問題ない。みんな仲間だし、ひとつの家族だ。
 
 さて、高層階に行ってみよう。
 バベルの塔には三つの部屋がある。
 「社長室」「情報室」「スナックゆうこ」だ。
 
 社長室があるのはバベルの塔の最上階。フロアには秘書課があり、可愛い女子社員と屈強なオッサン社員と、すましてるとイケメンなのに笑うと顔面崩壊するバカリズム顔の秘書たちが在籍している。
 最上階の社長室は眺めはいいけど、ちょっと孤独だ。だから僕は、毎日スナックゆうこに通っている。
 
 バベルの塔・上層階に位置する「スナックゆうこ」は、社員たちの憩いの場だ。
 社長に見られない秘密の部屋まで作ってある。ここ、本当に僕がのぞけない仕組みにしたから、どれぐらい社員が利用してるか僕は知らない。この件についてゆうこママに聞いても艶然と微笑んで話をはぐらかされてしまう。ちくしょう!
 
 仕切ってるゆうこママの本業は占い師。
 優雅な関西弁をあやつる謎の美女だ。肌やオッパイの張りはどう見ても20代前半なんだけど、サンダーバードとかウルトラQとか光瀬龍とか、特濃のオタクトークの内容から考えると、絶対に三十路には達してないとおかしい。1970年に来日したR.A.ハインラインと握手したとか、黒魔術で老化を止めているとか怪しげな噂が絶えない女だ。

 やりたいことがある社員は僕に相談して、企画の決済を貰う。そのあと彼はスナックゆうこのカウンター席に足を運ぶ。
 同じスナックゆうこでも、テーブル席は社員たちのたまり場だ。しかしカウンター席は違う。海千山千のプロデューサー連がどっしり占領し、ゆうこママを口説いたり説教されたりしている。
 こないだもチーフプロデューサーのカズヨシがママに「あほんだれ!」と上品だけど柳眉を吊り上げて怒られていた。いい気味だ。
 
 このプロデューサーというのは制度というより「人間関係を制度っぽくした仕掛け」なんだ。
 彼らプロデューサーは社員から企画を持ちかけられると、自分で引き受けるかどうか決める。引き受けたら自分の名前のついたコミュに企画名のトピックを立ち上げる。これでその企画はプロデューサーの「預かり」となったわけだ。
 以後、その社員は企画の「担当(監督)」となり、プロデューサーが実現への差配を面倒見るというわけ。僕がアニメを作っていた時の組織作りをまるまる移植したけど、このほうが普通の縦割り型組織にしちゃうより、ずっと人間くさくて実は合理的な仕組みだと思うんだ。
 
 さて、バベルの塔の地下、最下層にある情報室は、他社で言うところの財務と経理だ。
 世界初の「評価経済に特化した企業」であるオタキングexは、お金を儲けなくていいかわりに、世間からの注目や評価を集めなくてはいけない。すなわち「目立ってナンボ」「世の中のタメになることしかしない」が運営方針だ。
 我が社にとって「注目」はキャッシュフローであり、「評価」こそが資産なんだ。
 貨幣経済転覆を目指し、評価経済の確立を目指すのがうちの社是。別に悪いことしてるわけじゃないけど、「貨幣経済転覆!」とうたってるんだから、いちおう部署は秘密基地っぽく地下フロアになった。
 情報室に配属された社員たちはお互いを00(ゼロゼロ)ナンバーで呼び合っている。どうやらスパイごっこらしい。30を越えた子持ちのオッサンもいるんだぜ。本当にこいつらバカだよなぁ。ちょっとうらやましい(笑)
 
 以上、ざっとバベルの塔を案内してみたけど、どうだった?
 バベルの塔は文字通り不夜城。みんな本業の時間もマチマチだし、フリーランスや学生もいれば失業者だっているから(笑)、なんだか「いつでも誰かがいる」という感じ。
 研究所や事業部だけじゃなく、自分の日記(日報)を書くのも推薦されている。それを読むだけでも面白いし、それどころか「今日のバベルの塔ではこんな事件が起こりました!」「日報の人気ランキングを発表します!」とか、かってに新聞を発行する奴まででてくる始末だ。
 気をつけないと一日じゅうバベルの塔に籠もることになっちゃうよ。
 
 でも、あと少しだ。
 あさっての夜には、新サイトも公開される。
 最初は不完全なものだ。
 期待はずれといわれるかも知れない。
 それでも、僕たちはコツコツとサイトの拡大と、無料で提供できるコンテンツを増やしていくことを約束する。
 
 見に来てくれた人が自由に書き込める掲示板も用意したよ。僕だけでなく、社員もいっしょに掲示板でみんなと話したい、と思っているんだ。
 リクエストがあれば、どんどん掲示板に書いて欲しい。
 オタキングexと同じような会社を作りたい人の相談にものるよ。
 バベルの塔も、いまの暫定版では不可能なんだけど、いずれは会員や無料会員に公開したいと思ってるんだ。
 「いつでも見学に行けて、会議にも参加できちゃう少年ジャンプ編集部」みたいなのを目指してる、といえばイメージわかってもらえるかな?そんな感じだ。

 でも、いまだに信じられないよ。
 一ヶ月前まで、僕にはなんにもなかったんだよ。

 そう。すべてはFREEの世界へ向かっているんだ。
 新サイト、あと二日ではじまるよ。

 今日はここまで。
 続きは明日、「岡田斗司夫のゼネラルプロダクツ」でね。
 
 今日のBGMは『やつらの足音のバラード』だよ。


 

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2010年3月29日 (月)

世界でいちばんFREEな男

 この一連のシリーズは二つのブログ(「岡田斗司夫のゼネラルプロダクツ」「レコーディングダイエット2.0のススメ」)の交互で進行しています。
 最初から読む場合は、この日記からスタートしてください。

 
 準備はできた。
 いよいよ話をはじめよう。
 
 2010年2月19日、新宿ロフトプラスワンの「岡田斗司夫のひとり夜話 第六回」会場。
 この夜来てくれた人たちはみんな僕の「ファン」だ。わざわざ金曜の夜に、ちょっぴりおっかない新宿・歌舞伎町の地下2階まで2000円のチケットをローソンで予約して来てくれている。
 サラリーマン風の人、フリーターっぽい、あるいはアーティストっぽい人。お母さんっぽい年配の女性や、女子大生風の人も数人。あきらかに僕より年配の「人生の達人」っぽい人までいる。
 
 最初は会場アンケートを話したり、ドラゴンボールの話でお茶を濁したりした。
 なかなか話し始める勇気が出ない。
 
 だって、自分のファンに「狂った」話をしなくちゃいけないんだよ。
 怖くて当たり前じゃないか。
 その場でtwitterされて、あっというまにいろんなところで笑いものにされるに決まってる。
 
 でも、もう逃げられないんだよな。僕の人生も、これからの仕事も、次回から「ひとり夜話」をどうするかという枝葉末節まですべてこれからの話にかかっている。
 
 壇上のウーロン茶を飲んだ。
 いつもの儀式をやってみよう。
 深呼吸して、小さな声に出してつぶやく。
「大丈夫、みんな僕のことを好きだから。僕の話を聞きたいと来てくれた人たちだから、怖がらなくて大丈夫」

 可笑しいだろう?僕は大学の講義の前ですら、この儀式をやっているんだよ。
 自分の子供よりも年下の人に話しかける時でも怖くてたまらない。
 無視されたらどうしよう。
 目の前で携帯メールとかされたらどうしよう?
 だから声に出して言うんだ。
「みんな、僕のことが好きだよ。大丈夫」って自分に言い聞かせる。

 よし、大丈夫。
 Go!
 
 満席の観客に向かって、僕は「あなたの物語」を語りはじめた。
 
 僕の話じゃない。客席に座っている人や、「いつか、ひとり夜話に行きたいな」と思ってくれている人の話だ。
 400通以上のメール「私はこんな人です」という自己紹介メールで、僕はいろんなことを教わった。
 仕事も立場も年齢も性別も、住んでる国まで予想もしないほど多彩多様な人たち。
 
 岡田斗司夫をどこで知りましたか?・・・回答「マンガ夜話」「アニメ夜話」「GyaOジョッキー」「朝生」「しゃべり場」「いつデブ」「オタク学」「ナディア」「DAICON」。
 いろんなキッカケで僕を知ってくれていた。
 キッカケや間口は広くても、いずれブログにたどり着き、このイベントに集まってくれている。
 「昔、ちょっとだけ岡田さんにハマりかけました」「でもずっと遠ざかっていて・・・」「正直、岡田さんのことが嫌いな時期の方が長かったかもしれません」
 
 共通した特徴?みんな理屈っぽい、または理屈が好き、というぐらいかな?
 僕の語る面倒な論法、たとえば倒置とか演繹とか類推とか外挿とか、ありとあらゆる「理屈っぽいけど楽しい話」を心から愉快そうに聞いてくれる。
 
 メールを紹介し、僕は「君たちと仲間になりたい」と話しかけた。
 そう、僕は彼らと、あなたと仲間になりたいんだ。
 いっしょに「仕事」して、同じ目標を見ながら進む生涯の仲間に。
 
 多くのメールを見て思ったよ。
 みんな「こういう話」ができる仲間を探している。僕の話をずっと聞きたいと言ってくれる。だったら「お客さん」じゃなくて仲間になろう。
 
 なんだかね、僕は「責任」を感じちゃったんだ。余計なお世話と言われるかもだけど、客席やその向こうにいる人たちの「面倒を見なきゃいけない」って思った。
 
 よし、わかった。
 希望者はみんな、我が社の社員にしよう。
 
 僕はそう宣言した。
 
「ただし、普通の会社とは違う。この会社は『社員が社長に給料を払う』んだ」
 
 全員が息を呑む。
 ここだ。ここがオセロ盤の角地。すべてのコマが黒から白にひっくり返る勘所。
 貨幣経済社会から評価経済社会への転換点。
 世界は、ここから変わる。
 
 ノート術やトーク術を知りたい、教えて欲しいという人もいる。
 でも、教えることができても、たぶん使いこなせるのは10%以下だ。
 それよりいっしょに仕事しようよ。仕事の中でノート使ったら、ずっと「わかる」よ。いっしょに仕事したら企画術でも発想法でも論理的な見方でもブログの書き方でも文章法でも、なんでも僕の知ってることは教えられる。
 いや、教えるどころじゃない。「ちゃんと身につけないと仕事が成功しない」から、僕も教わる方も必死になる。
 イベントやセミナーの一回きりの関係じゃないから、ずっと近くで成長やつまづきを見ていられる。
 これなら成功率は10%じゃないだろう。悪くても30%~50%はいくはずだ。
 
 でも、せっかくだから「それ以上」を目指そうよ。たとえば「ノート術」だったら、いっしょにノート術を実践して、欠点や改良点もいっしょに探そう。で、それを原稿に書いて、ブログで無料で公開しよう。
 
 「ひとり夜話」もいっしょに作ろう。ディズニーランドは、遊びに行くのは楽しいけど、あそこで働いてゲストに喜んで貰うのはもっと楽しいよ。「ひとり夜話」が面白いなら、いっしょに作る側にまわろう。映像記録を撮影して、世界中に無料で配信しよう。
 こんな「仕事」をいっしょにしよう。

 オタキングexというのがその会社名。exとはエキスパンド、すなわち「拡張版」のことだ。
 会社であり、学校であり、家族である組織。
 仕事をするから会社。教えるから学校。仲間だから家族。
 ただの会社のように「イヤな仕事をする場所」「早く帰りたい場所」じゃない。
 ただの学校のように「意味や興味のないことを詰め込まれる場所」でもない。
 ただの家族のように「自分のことを相談できず、すぐに自室に引きこもりたいような場所」でもない。
 
 仕事をしたら仲間から感謝される。しなくても責められない。
 勉強すればその成果を活かせる。でも遊んでるだけでもかまわない。
 単に仲良くするだけでもいい。でも本音でいつも語り合える。
 
 この会社は利益をあげなくていい。創り出すコンテンツはすべて、基本的に世界に向かって無料で配給する。
 給料は毎月1万円。月割りのクレジットカードまたは一括払いの年間契約だから一年で12万円を払わなきゃいけない。
 その12万を投資するメリットは?
 いっしょに働ける。世界に奉仕できる。たったそれだけだ。
 これに納得できる人。それだけが入社の条件だ。
 
 じゃあその12万はどこに行くのか?
 僕の生活費と活動費になる。僕は今後、社員からの給料以外は外部からの仕事をできるだけ無料で引き受けようと思う。
 もちろん、社員数が少ないうちはやっぱりギャラや原稿料を貰うしかない。でも、目指すべきは「岡田斗司夫のギャラや印税はゼロ」、つまり岡田斗司夫のFREE化だ。
 つまり、僕は世界でもっとも「安い」男になるんだ。(笑)
 
 それが僕の望みだ。「世界でもっともFREEな男」。
 そして僕がいっしょに働きたい仲間は「年に12万円払ってでも、世界のために働きたい人」なんだ。
 
 え?社員が1000人とか越えて、僕の月収が1000万を超えたらどうするか?
 そんなの心配しなくてもあり得ないと思う。
 だけど、大丈夫だよ。
 僕がちゃんと、社員みんなが「さすが社長、カッコいい!僕らの自慢ですよ!」って思うような使いっぷりをみせてあげる。もし、くだらない使い方や社員から評価されないような使い方したら、翌年から社員は激減するだろう。
 そうしたら、もう僕には何も残らない。
 だって全部、FREEでばらまいちゃった後だからね。
 だから、僕は何億円集まろうとみんなが胸を張って「カッコいい!」と思える使い方しかやっちゃいけないんだ。
 
 質問コーナーに入った。
 いくつかの質問が客席から出る。
 
 
 
「年間12万円払えるような余裕のある人じゃないと社員になれないんですか?」

 うん、そうだよ。言い方は悪いかも知れないけど、自分に余裕がなければ人のためには動けない。もしいま、経済的に余裕がないなら、我が社のコンテンツを無料で楽しむだけでいい。いずれ余裕が出たらいつでも言ってね。我が社は誰も拒否しないから。
 
 
 
「これって宗教じゃないんですか?岡田さんが教祖でお布施を支払って、という」

 宗教みたいな「良いもの」じゃないよ。我が社が目指すのは、世界征服だもの。
 我が社の目的は「貨幣経済社会の転覆」なんだよ。社員は年間12万も払って、ボランティアで世界征服しようという面白結社なんだ。
 電脳ネットにより貨幣経済社会は急速に地盤液状化を起こしている。そして次に来るのは評価経済社会だ。この社会変革、パラダイムシフトの時期こそ、人々にとっては変化の苦痛がもっとも大きい時代だ。
 この苦痛を緩和することこそ、我が社の目的。だから我が社は経済的な利益をいっさい追求しない。評価的な利益、すなわち「世界に感謝されることだけ」を追求する会社なんだ。
 ボランティアで世界征服だよ。
 どう?カッコ良く狂ってるだろう?
 
 
 
「私は公務員やってるので、兼業は禁止されてます」
 
 じゃあ会社だと思わずに学校だと思えばいい。年間12万円の「定額制ビジネス学びたい放題プラン」だと言えばいいよ。領収書はちゃんと「研修費」で出すから安心しなよ。
 
 
 
「なぜ社員が給料を払うのですか?」

 なぜ・・・。う~ん、実は普通の会社も「社員が会社に支払っている」んだけどね。たとえば年収300万の社員がいるとしよう。会社が彼を雇用しているからには、年間700万程度の利益があるはずだ。でないと会社に利益が残るはずないからね。つまり普通の会社も視点を変えると「社員は会社に年400万支払っている」とも言えるんだよ。
 あとね、僕たちがはじめるこのシステムは世界初だけど、成功すると世界中で模倣者がでてくるよ。だってこのシステム、無限に応用が効くもの。
 ミュージシャンはコンサートを、これまでの5倍の料金で開けばいい。お金を払った人は前列で、後ろの席はすべて無料で開放する。そうすればお金がない人もコンサートが聴ける。コンサート後はその音源を無料で配信すればいい。で、打ち上げパーティーはお金を払った人とミュージシャンがお近づきになる場にすればいい。これ、落語でも演劇でもすべてのステージで応用可能なシステムでしょ?
 今のは単なるFREE化だけど、オタキングexはその先に進んでいる。無料から利益なんか生まなくてもいい。評価だけ得られればいいんだ。
 異論はあるだろうけど、この発想の転換によって広がる可能性に着目して欲しい。
 
 

「なぜ年間12万なんですか?もっと安くてもいいんじゃないですか?」

 言い方は悪いかも知れないけど、これ「互いを信じるための値段」なんだよ。僕は入社してくれた人は全部、自分の家族だと思う。仲間だと信じる。だからこそ、ハードルはあげておきたい。これだけ払ったら、人は礼儀正しく誠意ある態度で振る舞うよ。だって、安かったら別に辞めても惜しくないから、いくらでもヤケクソにもなれるし誠意のない振る舞いもできる。
 ここまでの説明で入社を考えられる奴というのは、絶対に「頭が切れる」か「底抜けに善良」か、またはその両方だ。そういう人たちと仲間になりたいから。
 
 ここまで説明したら、イベントの終了時間が来た。
 最後の質問だ。
「岡田さんの目的は、なんですか?この会社でなにをしたいんですか?」

 僕の答えは決まっている。
「人類の苦痛の0.3%を軽減する。それがこの会社の唯一の目的です」
「どうやって?岡田さんの著作や『ひとり夜話』を無料で公開することが、なぜ人類全体に関係してくるんですか?」

 この質問には答えられる。でも、もう時間がない。
「とりあえず来週の日曜、社員説明会をします。今の質問にはその場で答えます。参加希望者は僕あてに『御社に興味があります』という題名のメールを送ってください」
 僕は説明し、これでイベントを終わろうとして、ふとイタズラ心が沸いた。
 
 非常識かな?
 いや、やりたい!
 
「すいません、あの、みんな目をつぶってください。全員、目をつぶってください!」
 僕は呼びかけた。数人が意図に気づき、笑い出した。
 つられて全員が笑う。
 
「いいじゃん。お願いだから目をつぶって!」
 やがてイベント会場の全員が目をつぶった。両目をしっかり閉じてクスクス笑う。まるで修学旅行の小学生みたいだ。
 小学生のような、150人の観客。
 そう、いまはまだ観客。だけど、ひょっとして生涯の仲間になるかもしれない人たち。
 
「ぶっちゃけの話、ここまでの説明で『入社してもいい』と思う人、目をつぶったまま手を挙げて!・・・はい、わかりました。じゃあ『絶対に入社はあり得ない!』と思う人、手を挙げて!」

 イベントはここで終了した。
 楽屋に帰ると知人の編集者が「ここからは見えなかったんです!いったい何人が手を挙げたんですか?」と勢いこんだ。
「ふふふのふ。それはヒ・ミ・ツ」

 ふしぎな気持ちで中央線に乗り、吉祥寺へ向かった。
 手を挙げた人数、いったいあれは多かったのか、少なかったのか。
 どう解釈すればいいんだろう?
 考えながら車内でメールチェックする。
 「入社します」というタイトル。
 
 なんだ?やけに気の早い奴だな。
 
「岡田さん、いえ社長!!
はじめてメール差し上げます。
ひとり夜話vol.6にて、御社の社員募集に
ついての構想を伺いました。
ぜひとも入社を希望致します。
本職といいますか、昼間の仕事では
フリーランスのプログラマをしています。
もしクレジットカードの月額課金について
既に心当りのシステムなどがないよう
でしたら、私は構築の経験は
ありますのでご相談ください。
取り急ぎ要件のみにて失礼致します。
○○淳也」

 すごい!
 こいつ、もう決心してる!
 しかも、かなり優秀そうじゃないか?
 
 あれ、ひょっとしてひょっとしたら・・・
 いけるんじゃないか・・・

 
 今日はここまで。
 続きは明日、「岡田斗司夫のゼネラルプロダクツ」でね。
 
 そう。すべてはFREEの世界へ向かっているんだ。
 オタキングex、あと四日ではじまります。

 今日のBGMはABBAの「Chiquitita(チキチータ)」だよ。

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2010年3月25日 (木)

たったひとつの冴えたやりかた

 この一連のシリーズは二つのブログ(「岡田斗司夫のゼネラルプロダクツ」「レコーディングダイエット2.0のススメ」)の交互で進行しています。
 最初から読む場合は、この日記からスタートしてください。


 男の子にはみんな、ヒーロー願望がある。
 世界のピンチに立ち上がり、悪を倒すのだ。
 勝利と引き替えに自分も死ぬパターンや、可愛い女の子に抱きつかれて平和に終わるパターン。
 いろんなドラマ進行はあるだろうけど、でもヒーロー願望だけは共通している。
 ほとんどの男の子が持っている。
 
 幼稚園児なら九割ぐらい持っているだろう。
 小学校三年でも半数近くは、まだ夢見ているはずだ。
 しかし、小学六年ではどうだろう?クラス男子のほとんどは、もうアニメや戦隊ヒーローから卒業してる。いつまでもそういう「ガキっぽい」夢に浸るなんてかっこわるいじゃないか。
 
 そうだね。ヒーローなんてガキっぽい。
 でも見渡すと、そこには「正義」がないクラスが広がっている。
 なんでみんなであいつを無視するんだろう?
 なんであいつはいじめられてるのに無理やり笑って、僕もおかしくもないのに笑おうとしちゃうんだろう?
 ガキっぽいヒーローものの世界を卒業すると、そこには「正義も何もない」世界が広がっていた。
 
 普通、人はここで「適応」する。
 「成長」と言い換えることもできるだろう。
 単純な、ヒーロー番組のような「正義」なんか存在しない。
 人間関係は複雑系の問題であり、心理学や社会学や組織力学の問題だ。
 大人になろう。夢想は退行であり、負け犬の隠れ家だ。

 僕たち男性は、そうやって「男の子」から卒業する。
 きっと、女の子は逆なんだろうね。「女の子」という枠をゆっくりはめられて、その中の競争やゲームに参加するように求められる。
「女の子」になる前の世界に、なにか置いてきてしまうような感覚があるんじゃないのかな?
 それを「適応」とか「成長」って呼んだりしていない?
 僕は女の子じゃないから、よくわかんないんだけど。
 
 いやいや、ゴチャゴチャ書きすぎた。
 ごめん、昨日の話の続きだよね?
 そう、マイケル・ジャクソンの話の続きだ。
 
 マイケルは、彼の歌とコンサートツアーの力で、地球の環境破壊を止められると本気で信じていた。
 理屈もへったくれもあったもんじゃない。
 「狂った」男だから、そんな夢を信じることができた。
 
 マイケルは「世界を救える」と本気で信じていた。
 だから、どんな成功を収めても幸せじゃなかったろう。
 自分のやってることで、世界を救いつつある。
 この実感が感じられる時だけが、マイケルが満足できる瞬間だ。
 うん、知ってるよ。その感じ。
 誇大妄想とか自意識過剰とか人は笑うだろうけど、その気持ちや焦り、僕は知っている。
 
 だって、僕も同様に「狂った」男だから。
 僕の目標はマイケルよりずっとささやかだ。
「人類の苦痛の0.3%を軽減すること」
 これが僕の目標だ。
 
 夢じゃない。夢だったらもっと壮大な、現実不可能なことを言うよ。
 単に目標なんだ。自分の寿命がある間に果たすべき宿題。
 それが「人類の苦痛の0.3%の軽減」だ。

 たった0.3%。これなら充分に狙える。勝算がある。
 僕の狂った頭はそう告げる。
 人類を幸せにすること、じゃない。それは宗教の役割だ。
 人類を不幸から救うこと、でもない。それは政治の役割だ。
 いまみんなが生きている中で「ムダな苦痛」が存在する。それはちょっとしたコツや考え方の切り替えで、急に楽になる。楽になったような気がする。その程度でかまわない。
 
 不可能に聞こえるだろうか?
 いや、僕には充分可能な範囲だと思えるよ。
 
 たとえばレコーディングダイエット。このメソッドで痩せた人はおそらく10万人前後だろう。
 知ってるかな?いまメキシコでは糖尿病患者が凄まじい勢いで増えている。15年前は統計値にあらわれなかったのに、現在メキシコ人口の1/7以上が2型糖尿病患者だ。(日経サイエンス2007年12月号)
 糖尿病は本人だけではない。家族にも負担を強いる。病気が進行すると目が見えなくなり、足を切断しなければいけない場合もある。4人家族の場合、一人が糖尿病になって悪化すると、家族4人とも暗い家庭になってしまいがちだ。
 だから、僕はレコーディングダイエット普及で10万人前後が痩せた、ということを「10万家族=40万人前後が不幸からあるていど遠ざかった」と考えている。
 
 肥満は贅沢病と考えられているけどそうじゃない。現在、地球の飢餓人口は8億人。この40年で1/4以下に激減し、今なお減り続けている。しかし肥満に苦しむ人口は13億人以上で、この数字は増える一方。しかも経済後進国ほど肥満人口が多い。(同じく日経サイエンスより)
 世界を苦しめているのは、飢えよりは肥満なんだ。
 だから僕は、自分のダイエット法が普及することを心から願っている。本だけでは10%程度の成功率だから、このサイトで常連の人が励ましやアドバイスのコメントしてくれてるのを見ると、「このサイクルを世界に広げられないか?」と考えてしまう。
 そうすれば、世界の苦痛の0.3%に手が届くのに。
 
 『オタク学入門』という本を僕は書いた。
 発売当時、日本のオタクたちは不当に差別されていた。もちろんこの本で差別は無くせない。彼らの悔しさや悲しみの助けになったとも言わない。でも「差別感」をほんの少しだけ軽減させたのは事実だ。
 当時のオタクたちの心をほんの数%だけ支えた、と言ってもかまわないと思う。
 
 僕がいま朝日新聞で「悩みのるつぼ」で答えてる時の論理法や考え方。これも「人生をほんの少し楽にする」思考法だ。
 『フロン』で展開した「女性の内面をエミュレートするオカマエンジン」にしても、『人生テスト』で紹介した「わからない人がわかる」4タイプ判別法も、いまイベントで紹介しているノート術も、ベースはみんな同じ。
 その人の不幸や、たとえば貧困はどうにもならないかも知れない。
 でも、そういう毎日をほんの少し「楽な気がする」程度には持っていける。

 それにね、ダイエット本を出版してわかったことがあるんだ。
 自己管理に成功すると人は自信を持つ。
 ダイエットに成功することで、人生に前向きになれる人ってすごく多いんだよ。
 余計なプライドを背負い込んで傷ついてる人はあんがい多い。
 プライドって「実績のない自信」のことなんだよ。
 「未来から実績を借り入れして、無理やり自信を保ってる状態」、それがプライドが高い、という状態だ。
 でもダイエットに成功すると、人は「実績」を感じる。プライドは自信に変わる。
 自信が持てると、人は元気になれるんだよね。
 元気になれるだけでいい。それだけで人類の苦痛の0.3%は軽減できる。
 人類の歴史から貧困は無くせないだろう。でも貧しい家庭にも笑顔はある。
 楽しく生きる手助けができれば、今日の心配をほんの少しでも軽減できれば充分じゃないの。
 それが僕の本の目指している視点の切り替え、多様な視点の提供だ。
 
「ノート術」「ダイエット」「論理的思考」「話術」「オタク学」「評価経済への移行」
 いろんな形があるけど、それらはすべてメソッドや考え方に過ぎない。
 ベースにあるのは「ちゃんと理屈が使えれば大丈夫だよ」「理屈を使って、感情を幸せにしてあげよう」という価値観だ。
 この価値観の使い方、それぞれのジャンルにメソッドとして落とし込んでツール開発(著作やマニュアル)を続ければ、まぁ「苦痛の0.3%緩和」ぐらいは可能じゃないの?
 たった0.3%と言われるかも知れないけど、男子一生の仕事としては、そこまでやれば充分だろう。
 それ以上の実現不可能な数値を目指したら、それこそ誇大妄想狂だよね。
 僕は狂っているけど、そんな計算だけは得意なんだ。
 狂ってるだけで、バカじゃないからね(笑)
 
 でもね、なんだか間に合わない気がしてきた。
 前にも書いた出版界の低迷、というよりはっきり言うと沈没という情況。
 不況というより「経済的テロ」と言った方が正しいような、一人の成功者を生み出すために多数の破産者を出すネット資本主義。
 経済が、なにかおかしくなっている。
 第二次大戦後、日本人が盲信できた「豊かになるには一生懸命働けばいい」が通用しなくなり、バブル崩壊後に信じられた「勝ち組に入るには、チャンスを掴んで抜け目なくすればいい」もすでに通用しない。
 キャリアアップ?自己投資?
 それって大地震が起きてる最中に、健康のためジョギングするようなものじゃないの?
 いま一流企業・大企業と言われている会社で、はたして5年後も大規模リストラしないと言い切れる会社が何社あるだろうか?
 ここまで激しい不安定さ、まったく安定感のない情況を「不況」などと言っていいんだろうか?
 
 僕はこれまで、自分の目標である「苦痛の0.3緩和」は可能だと思っていた。でもそれは、世界がある程度平和で安定している状態であってこそ、だ。
 でももし、いま貨幣経済社会ぜんぶが沈没しつつあるなら、その中で0.3%程度の持ち直しを図っても意味ないじゃないか。それこそ「大地震の最中に、健康のためジョギングする」みたいな行為だ。
 
 じゃあ、どうする?
 八方ふさがりだ。
 本は売れない。もうすぐ自分自身も経済的に苦しくなるだろう。
 世界経済はますます不安定になる。ちょっとばかし改善したからといっても焼け石に水だ。
 せめてダイエットやノート術だけでも、ネットで無料で提供できないだろうか?そのための知識が僕にはない。勉強したけど無理だった。
 セミナーや塾や通信教育や家元制度、ぜんぶ考えてみたけどすべて一長一短だ。
 なにより「僕のメソッドを必要としてる人ほど、金銭的に余裕がない」んだよね。
 
 世界を救うどころじゃない。
 僕がピンチだ。
 マイケルを可哀相がってるヒマなんかあるはずない!
 
 これがこの二年、僕が考え続けていたことだ。
 世界の危機と、自分の危機。
 
 どっちも解決不可能に思えたけど、どっちも手放すわけにはいかない。
 にっちもさっちもいかなくなった僕に天啓を与えてくれたのは、一冊の本と一人のスーパーハッカー、そして一つのシステムだった。
 『FREE』と
 『小飼弾』と
 『twitter』。
 
 一つだけじゃダメだ。二つでも足りない。
 この三つが目の前にほとんど同時にあらわれて、僕はついに発見した。

 「たった一つの冴えたやりかた」を発見したんだ。

 今日はここまで。続きはまた明日ね。
 じゃ、明日は「岡田斗司夫のゼネラル・プロダクツ」でね。

 今回のBGMは「小さなスーパーマン ガンバロン」だよ。

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2010年3月23日 (火)

本やセミナーは役に立たない

 この一連のシリーズは二つのブログ(「岡田斗司夫のゼネラルプロダクツ」「レコーディングダイエット2.0のススメ」)の交互で進行しています。
 最初から読む場合は、この日記からスタートしてください。


 土曜のあっちのブログで、僕はこう書いた。

「実はセミナーは、役に立たない」

 こんなこと書くといろんな人から怒られたり呆れられたりするだろう。
 でも僕は、さらに怒られそうな事も書かなくちゃいけない。
 
 「でも、本は、もっと役に立たない」
 
 そう、本ってあんがい役に立たない。
 『いつまでもデブと思うなよ』であれ、『レコーディングダイエット決定版』であれ、その他僕の本でも誰の本でも同じだ。
 名前を出して申し訳ないけど、あれだけ賢い勝間和代さんの本だって、僕よりマシかもしれないけど、それでも役に立たない。
 僕たちもの書きは、みんなイヤというほどそれを知っている。
 今日はそのことを書こうと思う。
 土曜日に続いて、かなり僕の心に負担がかかる話題だけど(笑)、できるだけ正直にくわしく説明してみるね。

 『いつまでもデブと思うなよ』という本がある。
 ダイエット本としては53万部という空前のベストセラーだ。後に出たムックや関連本を含めれば、総関係部数は100万部を越えるだろう。
 えへん、偉いだろう。
 俺ってこんなに役に立つ本を書いたんだぞ!
 
 最初のうち、僕はこんな風に有頂天だった。
 ところが、思っていた以上の人が「レコーディングダイエットやってみたけど失敗した」というではないか。
 発売後数年たった今でも「チャレンジしたけど失敗した」「自分には向いていない」という人がかなりいる。
 僕は、この事実を認めるのにかなり抵抗した。
 みんな、ちゃんと本を読んでるの?
 いいかげんなまとめサイト見ただけじゃない?
 
 もちろん、そういう人も多いだろう。
 でも、「ちゃんと僕の本を読んで」「ルール通りにチャレンジして」、そしたら成功率はどれぐらいなんだろう?
 僕はドキドキと気になって、今までのメールやお便り、それにブログの書き込みを検索して数字を出そうと試みた。
 
 いや、「試みた」という過去形はウソだね。いまでも調べているよ(笑)
 各種検索エンジンを駆使して、僕の名前やダイエットなどの話題が出ているページにはかならず目を通して、もう3年近い。
 我ながらキモチワルイ粘着質な(笑)、そんな努力をつうじて、僕なりの推論が立ってきた。
 
 では、この本で提示されたレコーディングダイエットというメソッドは、どれだけの人を痩せさせたのか?
 100万人のうち、果たしてどれだけの人がダイエットに成功したのだろうか?
 
 もちろん、正確な数字なんかわかるはずはない。
 それでもフェルミ推定を使えば「蓋然性の高い数字」をはじき出すことは可能だ。
 僕の読みでは10万人前後だ。
 5万人以上~15万人以下の範囲だろう。
 かなり多くの人からメールやお便りをいただいたし、ダイエットのイベントやトークショー、テレビに出た時の視聴者からのお便りなども勘案した。それらのデータから考えても5万人~15万人というのは相当に妥当性の強い数字だろう。
 
 そう、たった1割なんだ。
 あれだけのベストセラーなのに。
 ダイエットを成功させて目標体重に到達できた人は、わずか10人に一人。なんとか体重を減らすことはできた。一度減ったけどまたリバウンドした、という人を含めても30万人以下だと思う。
 せいいっぱい楽観的に考えても三割。現実的に考えたら一割程度。
 それぐらいの成功率しかないんだよね。
 
 たぶんこれ、僕の本だけじゃない。
 ライフハック系にしても思考法や自己投資系の本にしても、たしかに読んだら「やる気」や「勇気」はもらえるかも知れない。でも成功率は僕の本と似たり寄ったりのはずだ。
 本は、役に立たないんだ。
 
 だから、本の著者はセミナーに熱心になる。
 本だけじゃ足りない。伝えきれない。
 本だけじゃ失敗率が高すぎる。
 
 だから優秀な書き手やライターは、ベストセラーを出すとセミナーや講演に手を出すんだよね。
 もちろん経済的な問題もあるだろう。セミナーや講演はびっくりするぐらいお金になるから。
 しかし、本を書く人種、ライターやもの書きという人たちにとって、「生きるための劇的な動機」というのは「人にものを伝えたい」だ。儲かればいい、金になればいい、と思ってるもの書きなんかいない。そう僕は断言できる。
 
 なぜか?
 土曜のブログに書いたとおり、そんなにお金が好きな奴は、もともとこの業界に入ってくるはずがないからだ(笑)
 こんな、誰がどうやっても儲かりようのない業界に入ってくるのは「頭の回転は早いけど生きるのが下手くそなお坊ちゃん・お嬢ちゃん」だけだ。露悪ぶって「金のために書いてる」とうそぶこうとも、金が欲しければこんなすきま風の寒い業界にいるはずがない。
 ウソだ。
 単なるスタイルだよ。
 「人に読んで欲しい」「影響を与えたい」という、善良だけど業の深~い奴らばっかりの世界なんだ、出版界は。
 
 さて、では著者が読者にじかに言葉を伝えられるセミナーはどうだろうか?
 成功率は上がるのか?
 
 残念ながら、そうはいかない。
 セミナーで上昇するのは、受け手つまり聴衆の動機付け、モチベーションばかりだ。高価なセミナーを聞くと、熱心にメモを取って参加すると、たしかに「やる気」は上がる。優秀なセミナーだったら「絶対にやりとげよう!」と決意できるのは間違いない。
 でも、その決意はせいぜい一週間~一ヶ月。ダイエットというロングレンジの目標には、やはり役に立たない。
 
 というわけで、セミナーも役に立たない。
 もちろん、本を読むだけより役に立つだろう。
 それでも成功率はせいぜい20~30%だと思う。
 
 たぶん、良心的なセミナー主催者なら、僕の出した数字を認めてくれるはずだ。
「成功率が20~30%もあったら上等すぎる。セミナーはそれぐらいで充分」
 プロの誇りを持ってる人なら、そうはっきり言ってくれるかも知れない。
 
 でもね、僕にしてみれば「本だけなら、成功率10%」「セミナーで繰り返し教えても成功率20~30%」というのは低すぎるんだよ。我慢できないほど。
 
 ではどうすべきだろうか?
 簡単だ。「読むだけ」「聞くだけ」ではなく、もっと近づいて教えればいい。
 
 英語を学ぶ時のことを考えよう。
 英語を本だけで学ぶ、すなわちテキストだけ買って勉強したら、成功率はたしかに低い。英語を身につけられる人は10%以下かもしれない。
 しかし英語学校に通うと話は違う。50%以上の成功率で、かならず成果はでる。
 
 なぜか?
 学びに必要不可欠な段階、「理解する」「やってみる」「成果を得る」があるからだ。
 英語を習って(理解する)、自分で話してみて(やってみる)、通じるとすごくうれしい(成果を得る)。
 この3つのプロセスを経ると、学びというのはかなり効果的になる。
 語学を習得しようとする人が、テキストだけじゃなく学校に通うのはこういう理由なんだ。
 
 で、だ。
 実は完全な学び、会得するにはもう一段階必要なんだよね。
 「理解する」「やってみる」「成果を得る」「人に教える」。
 最終段階の「人に教える」という仕上げプロセスで、自分の中の学びはいきなりパースペクティブを持ち、はっきりした世界観を構成する。
 これを「見識がある」というんだよね。
 
 経験ないだろうか?
 新入りや後輩に「なぜそうするのか?」を教えた瞬間、その刹那にいままでアイマイだったことがいきなり理解できる。
 人に勉強を教えてると、自分のほうが成績が上がっちゃう。
 そう、理解する・使いこなすというのは「人に教える」でようやっと卒業段階にはいるわけ。
 
 だから今のこのブログは、価値がある。
 ダイエットに成功したもの、失敗したものが互いに教え合い、悩みを打ち明けて、それぞれの成果を得ているから。
 
 わかるだろうか?
 このブログの最大コンテンツは、僕の日記や駄文じゃない。
 そんなのは、ダイエット成功にたかだか10%程度しか寄与しない。
 
 このダイエットブログの目玉は「ちびうさまきこ」さんだ。
 
 「めるへん」「タッキー2世」「りあるぴんく」「うどんきつね」「ちゃーちゃん」「よめこ」「ミイ」「D子」、その他の、ダイエット初心者を優しく励まし、適切で多様な助言を与えるコメントに常駐してくれている、常連さんたちだ。
 
 彼らこそ、レコーディングダイエットの本質、学びの本質を体得している当事者なんだ。
「自分もわかんないかもしれないけど、教えてあげなくっちゃ」という気持ちからまさに学びつつある、レコーディングダイエットというメソッドに血肉を与えてくれる存在。
 だから僕は、このブログを「レコーディングダイエット2.0」と名付けた。
 もう、「岡田斗司夫のダイエット法」じゃない。
 このブログに参加する全ての人の共有知財であり、僕はその管理者なんだ。

 おっと、今日も長くなりすぎた。
 でもまだまだ語らなきゃいけないことが多すぎる。
 なによりもあの不幸な天才の話をしなくちゃ。
 
 明日は栄光に包まれながら、誰にも理解されずに死んだ孤独な男の話を、
 マイケル・ジャクソンの話を聞いて欲しい。
 
 今日はここまで。
 じゃ、明日は「岡田斗司夫のゼネラル・プロダクツ」でね。

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2010年3月19日 (金)

メル友大作戦の意味

 この一連のシリーズは二つのブログ(「岡田斗司夫のゼネラルプロダクツ」「レコーディングダイエット2.0のススメ」)の交互で進行しています。
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 昨日、もう一つのブログに書いた続き。
 こっちのブログではダイエット関連を中心に話を進めます。
 
 さて、あっちのブログでは「ひとり夜話」の流れで説明したけど、こっちに関係するのはレコーディングダイエット2.0宣言だ。
 あの宣言を出す時、実はかなり覚悟を決めていたんだよね。
 だって「レコーディングダイエット」という考え方や方法論まで、一種のフリーソフト化するのに近い考え方だから。
 だからといって、全てをフリー化する度胸は、まだその段階の僕にはなかった。
 フリー化したらあきらかに間違ったソフトや書籍が出回るのも目に見えていたし。
 
 でも、それを上回るメリットがある。
 このブログをみれば実感できる。
 コメント欄にいろんな人が意見や相談を寄せて、またコメントで同じダイエッターたちが答える。
 この無償の善意の輪があれば、大丈夫なんじゃないか?
 それになにより、この場でのみんなの書き込みが「著作権的に岡田斗司夫に帰属」というのは絶対にヘンだ。法的にそうだというなら、そんな法律が間違っている。
 これは、この場のみんなのものだよな?
 思想的に僕を動かしたのがtwitterや「フリー」という本との出会いなら、現実として動かしたのはこのブログなんだ。
 
 じゃあ、もっとみんなが活躍できて使いやすい場を提供しなくっちゃ!
 僕はそう決心した。それは以前のブログにも書いたよね。「いつデブのタダ読みができるようにサイトの構造を変える」って。
 でも、できない。
 今日にいたるまで、サイトの構造なんか変わっていない。
 
 信じて欲しいんだけど、さぼっていたわけじゃない。単に「不得意」なだけなんだ。
 僕もちょっとは頑張ったよ。FC2とやらの解説書を買って読んだり、「ブログの作り方」みたいな入門書も何冊も買った。読んだ。チュートリアルも試した。
 
 でも、できない。
 デジタルに、本当に弱いんだよ。
 社外に外注で出す?
 いや、無料で公開してるブログにお金かけれるような余裕はない。
 スポンサーを入れる?どこがスポンサーになるの?怪しげなダイエット食品メーカーじゃないの?
 もっと勉強する?
 
 そこしか解決法がないような気がして、本当に去年後半から年明けまで、ず~~~~っと読みたくもない技術書読んで、でもわかんなくて落ち込んでいたんだ。
 
 せっかく新潮社から許可を得た掲載権もムダになっちゃう。うかうかしてるうちに他のサイトでは「レコーディングダイエットに関しては当サイトで学んでください!便利なまとめを用意しました」って言って、あいかわらず間違った紹介ばっかりやっている。
 
 あ~、もうどうすればいいの?
 気持ちも体力もへにょへにょだったんだよ。
 
 そのあたりのタイミングで昨日の日記にも書いた「ひとり夜話」についてのメル友大作戦がはじまった。
 400通以上のメールが寄せられて、実はまだ2月中旬までの分しか返事を出せていない。ちゃんとしたメールを読むのには、やっぱりかなりの時間が取られる。
 
 メールをひたすら読んで、返事を書いてると、やっぱりどんどん心が動いちゃう。
 「ファンの人」とは思えなくなって、メールを出した人の苦境や心配事がどんどん広がってくる。
 逆に、彼らのいいことや素晴らしい経験、前向きな決意は僕をどんどん明るくさせてくれる。
 
 そうか、みんなあんがい僕と長い付き合いをするつもりなんだ。
 僕は勝手にそう考えた。
 
 面白いことをブログに書くから。
 役にたつ本を出してるから。
 それもあるだろうけど、けっしてそれだけの理由じゃない人がブログを見て、「ひとり夜話」に来て、ダイエットの相談に乗ってくれている。
 
 よし、こいつらと生涯の「仲間」になろう。
 
 僕はいきなり決心した。
 なぜかはこの時、まだわからなかった。
 ただ、これが正解だという予感だけはすごく感じていた。
 ただ、向こう(つまりブログを読んでいるあなた)が僕を受け入れてくれるか、そこだけが心配だった。
 
 わお、また長くなった。
 今日はここまで。
 続きは明日、「岡田斗司夫のゼネラル・プロダクツ」でね。

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2010年3月17日 (水)

もうすぐサイト工事&twitterイベントのお知らせ

 この一連のシリーズは二つのブログ(「岡田斗司夫のゼネラルプロダクツ」「レコーディングダイエット2.0のススメ」)の交互で進行しています。
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 実は今月あたまに、僕の会社では大きく組織を変えた。
 組織を変えた、というか一気に新入社員が50人以上、入ったんだよ。
 4月1日が正式入社日だからまだ仮社員みたいなもんだけど、これまでは社長を含めて従業員4名だったから、大々変化だ。
 「エグザイルは7人が17人?ふん、うちは4人が54人だゼ!」とか勝手に考えてるわけ(笑)
 
 なんでそんなことにしたのか、という話はダイエットにあんまり関係ないから、明日のゼネラルプロダクツに書くね。
 こっちのページに関係あるのは「社員数を大幅に増やした→ようやっとサイトの改良に取りかかれる」という部分。
 
 そう、去年にレコーディングダイエット2.0宣言してからずっとやりたかった、「みんなで作るダイエットページ」の準備がようやっと整いだしたわけ。
 
 ダイエットの他、僕の著作や過去のイベント映像なども見られる巨大サイトになる予定だ。
 サーバ借りるのどうするとか、まだ手続きや考えなきゃいけないことも多いんだよ。とりあえず4月1日には一部だけでも公開できないかと奮闘中。
 いや「奮闘中」というのは「なんだか間に合わない予感がする~」というニュアンスもあるので、まぁとにかく奮闘中!
(社内連絡:「とりあえず4月1日の部分公開を、自信なさげなエクスキューズ付とはいえ社長は公言しちゃったわけだから、そのあたり覚悟してくれたまえ」)

 で、レコーディングダイエットについては、以下のようなページを考えている。
 これ、社内SNS「バベルの塔」に掲載したデータそのままを転載するので、読みにくいけどゴメンね。

D:ダイエットのページ
D-1 ダイエット365日(著作からダイエット研が200~400文字を引用)+イラスト+コメント
D-2 ダイエット著作アーカイブ(「いつデブ」第1、2章)+イラスト
D-3 投稿参加型カロリー表
D-4 Q&A(参加者が質問して、参加者が勝手に答える。優秀な回答にはみんなでクリック勲章)
D-5 レコーディングダイエット入門(著作よりダイエット研が執筆)+イラスト
D-6 ダウンロード素材(レコーディングメモ用紙、シールなど)
D-7 ダイエットに関する映像素材やオーディオ素材のアーカイブ

 「ダイエット研」というのは、オタキングex内に作ったレコーディングダイエットの研究所。本当はこのブログでコメントしてくれている人全員に参加してほしいんだよね。
 4月1日の段階では、この全部じゃなくてD-2ぐらいか、ひょっとしたら「工事中」のページだけかも知れない。
 早く整備したいのはD-5。このページがあれば、誰もがレコーディングダイエットについて正しい情報を無料で知ることができる。
 D-6があれば、専用のメモ帳をダウンロード→プリントアウトしてコピーすればいいだけ。これももちろん無料。

 ゴールデンウィークか、少なくとも夏前には整備したいなぁ、と考えています。
 ああ、もっと人手が欲しい。50人でもまだ足りない!(笑)

 とりあえず明日の夜、22時~23時にtwitterで公開イベントやってみようと思います。
 ダイエットだけじゃなく、岡田斗司夫のブログ全般やオタキングexについて、質問や意見あったら、どんどん聞かせてね。
 
 今日はここまで。
 じゃ、明日は「岡田斗司夫のゼネラル・プロダクツ」でね。

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2010年3月13日 (土)

ハワイで2キロ太ったよ

 あろ~は~
 更新が遅れてごめん。
 先週の木曜から月曜までハワイに行ってきました。

Photo ホテルの部屋から見下ろすビーチはきれいだったなぁ。
 でも到着した日に右足首を捻挫して、ずっと部屋に缶詰になっちゃった。おかげでこの美しい景色ばっかりずっと見ることになっちゃったよ(笑)
 ハワイに行ったのは休暇というよりも仕事をするため。ブログや仕事のことを再整理してじっくりノートを書いたり考えたりする時間がたっぷり欲しかったから。
 捻挫のおかげで、考える時間は充分以上に取れたから初期目標は達成!とほほ。

 でも、ルームサービスのご飯が美味しすぎて、ハワイまで来て外出できないのも悔しすぎて、食べてばっかりいたら5日間で2キロも太っちゃった。
 いや~、まずいまずいよ。

 というわけで、久しぶりに助走しています。
 久しぶりに食事メモ取るんだけど、面倒くさいよね(笑)

 じゃあ、また来週。
 ばいばい。
 


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2010年3月 4日 (木)

来週水曜までおやすみ

 私事で申し訳ないんだけど、いま仕事の大変換中なんだ。
 これまでの「注文を受けて原稿を書く」「単行本を書く」「出演依頼を受けてテレビに出る」という流れから、もっと自由で大きな海に出ようとしている。
 そのため、いっしょに働いてくれる仲間にも集まって貰った。いま彼らと「なにができるか?」をワイワイ相談中だ。
 いやもう、すっごく楽しいよ。
 この年齢になってDAICOMFILMみたいなことを、もう一度することになるとは思わなかったなぁ(笑)

 というわけで、今まで常連さんのコメントに助けられながらも、僕一人でコツコツと運営してきたこのブログも、より使いやすく、ダイエットをサポートできるように改良しようと画策中。
 オフ会とかもしたいし、またtwitterでQ&Aもしたいなぁ。
 あ、いただいたメールの返事、遅れてごめんなさい。
 絶対に返事は書くので、気長に待っていてね!

 あと、来週の水曜までちょっと用事ができたのでこのブログ、おやすみします。
 再開は3月10日(水)の予定。おやすみ中のできごとは、写真付きで書くのでお楽しみに!

 では今日はここまで。
 また来週の水曜にね。

 
 

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2010年3月 1日 (月)

太り戻しのピンチ!

 レコーディングダイエットを卒業した人、あるいは「もうそろそろ目標達成かも」と思っている人。
 そんな人たちにある日、やってくるのが「体重の微増」という恐怖だ。

 「微増」というぐらいだから、最初はなかなか気づかない。
 同じ体重をずっと維持していて、先週ちょっと食べ過ぎたから、こないだパーティーがあったから、だからちょっと体重が増えただけ。
 最初はみんなそう考えるんだ。

 これ、停滞期の人にも当てはまるよ。
 停滞期だと思っていたら、体重グラフを一ヶ月単位でよ~く見たら・・・
 びみょ~に、グラフの線が右肩上がりに!
 経済の右肩上がりは景気回復でいい話だけど、僕たちにとって体重の右肩上がりはバッドニュースだ。
 
 これを僕は「太り戻し」と呼んでいる。
 太り戻しは、かならず体重の「微増」からはじまる。
 微増が止まらなくなってずっと続く。
 これが習慣化してる状態=「無意識に太る努力が習慣化した状態」だ。

 ね?怖いでしょ(笑)
 じゃあ、こうなっちゃった場合、どうするのか?
 より気を引き締めてカロリー制限する?

 う~ん、体重が「微増」にはいっちゃったら、カロリー宣言するよりもいっそ「助走」に戻す方が有効だと思うんだよね。
 レコーディングしてるのに微増してる、と言う場合、だいたい「マジメにレコーディングしていない」「カロリー計算が以前よりいいかげん」という場合がほとんど。
 こういう時はいっそ「助走」にまで戻して、まずすべてを時間も分量も書く、という大前提に戻った方がいいよ。
 助走はカロリー計算しないので「あと何kcal食べれる」から抜け出せる。これによって姿勢の乱れが修整されるんだ。
 「ダイエットの姿勢が崩れている」わけだから、「姿勢を正す」ことだけに集中しよう。

 その結果、微増は止まらないかも知れないし、もっと増えちゃうかも知れない。
 でも、それよりも大事なのは「レコーディングダイエットをちゃんとやる」という姿勢を正すこと。
 助走を一週間続けて、「自分はできる」と確信したら、次の離陸に進む。
 愚直かも知れないけど、助走・離陸・上昇・巡航を各一週間、まじめにやり直すこと。

 それが一番の微増、つまり「太り戻し」対策だと思うよ。
 みんなは太り戻し、どのように対抗したのかな?
 微増経験のある人、太り戻しちゃった人。打ち勝った人。
 意見を聞かせてください。

 今日はここまで。
 じゃ、明日は「岡田斗司夫のゼネラル・プロダクツ」でね。

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